【金子真仁】栗山巧が紡いだ25年間の“証” 大歓声でなく「静寂」を選んだ応援団

西武栗山巧外野手(43)がライオンズひと筋25年間のプロ野球選手人生に、ピリオドを打ちました。8月30日、本拠地ベルーナドームでの楽天戦で引退試合を行いました。美しい輝きでした。セレモニー後のレジェンドの言葉は-。「PR1DE THE FINAL」を振り返ります。

プロ野球





◆栗山巧(くりやま・たくみ)1983年(昭58)9月3日、兵庫県生まれ。育英から01年ドラフト4巡目で西武入団。04年9月24日近鉄戦で初出場。07年から外野のレギュラーに定着。08年はリーグ最多安打を放ち、チームの日本一に貢献。21年に球団生え抜きでは初の通算2000安打達成。ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞1度。プロ通算2323試合、2152安打、打率2割7分7厘、128本塁打、914打点、85盗塁。177センチ、85キロ。右投げ左打ち。


引退セレモニーで集合写真に納まる西武栗山巧ら(撮影・江口和貴)=2026年8月30日

引退セレモニーで集合写真に納まる西武栗山巧ら(撮影・江口和貴)=2026年8月30日


25年間が生んだ静寂


栗山巧も含めて、全員が知っている。これがプロ25年間の最後の打席だと。

スーパースターなのに拍手を送られない不思議な1年間も、これで終わる。最後もやっぱり拍手はない。応援タオルを掲げる人、カメラやスマホでの撮影に専念する人。両手はふさがっていても皆、声は出す。

栗山が構え、球審が「プレー」を発しようとしたタイミングで時が止まった。歓声が不思議とピタリとやむ。レフト応援席からもコールが聞こえない。耳を澄ませば鈴虫の声。

静寂。

熱狂こそプロ野球の美。声がかれても声を出す-。そんなファンたちが最後の打席に、一斉に口を閉じた。なんて美しいんだ。瞬時に鳥肌が立ち、鼻の奥がツーンとして、沈黙の理由を考える。その中のどの段階か分からないところで、栗山のバットが軽やかな木の音を響かせた。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。