沖縄県の翁長雄志知事(67)は15日、入院していた浦添市内の病院を退院後に県庁で会見し、膵(すい)がんと診断されたことを発表した。切除した腫瘍は約3センチで、がんの進行を表すステージは2だという。膵臓の周りのリンパ節に転移が確認されたが、手術で切除したと説明。「冷静に受け止めながら、治療に向け全力を傾けて頑張っていきたい」と述べた。定期的に通院し、抗がん剤治療を受ける予定。公務は自宅と県庁でこなすという。

 12月に任期満了を迎えるが、再選に向けた知事選への出馬は明言せず「1日1日公務をしっかりこなす中で、私への負託に応えていきたい」と述べるにとどめた。知事選は、政府との間で対立が続く米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設が争点で、与党は移設推進の候補者を擁立する見通し。翁長県政与党や経済界の一部は、翁長氏擁立へ準備を進めているが、健康問題が立候補の判断に影響を与えるかどうかが注目される。