今、世界で最もホットで深刻な問題の1つ、石油ベースのプラスチックごみ問題。連載最終回は、我々市民はどう取り組んでいけばいいのか、プラごみ問題の第一人者、東京農工大の高田秀重教授に聞いてみました。

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Q プラスチックごみが、海や生態系に影響を与えないようにするために、私たちはどうしていけばいいのでしょうか。分別や焼却だけではダメですか

高田先生 市民ができることは「3R」です。まず使い捨てのプラスチックの使用をリデュース=削減する、どうしても使うものはリユース=再使用する、使えなくなったらリサイクルしましょう。

海にプラスチックを入れないための処分として、燃やせばいいじゃないかという声がありますが、国際的には評価されません。燃やせば二酸化炭素が発生し、温暖化の問題になります。ダイオキシンなど有害な化学物質を抑える高性能な焼却炉は非常にコストもかかり、寿命も30年ですので、30年ごとに人口数十万人の都市で100億円規模の費用と新しい用地が必要になります。日本はプラごみの6~7割を焼却していますが、日本だけが異常に多いのです。

象徴的存在のレジ袋は、世界80カ国以上で規制が行われています。フランスでは2020年から使い捨てプラスチック容器での飲食の提供を禁止する法案が成立しています。日本など世界からプラごみを輸入していた中国が昨年1月に受け入れをストップしてからは、大手コーヒーチェーンのスターバックスが使い捨てストロー使用を2020年までに全廃すると発表しました。英国では百貨店やスーパー、公共施設などで、ペットボトルでの水の販売や提供を禁止するところも出てきています。

なぜ欧州が燃やそうとせず、削減しようとしているかが大事な点です。2015年のパリ協定で2050年以降、温室効果ガスの発生を禁止することがうたわれ、プラスチックを燃やせなくなるからです。なお、埋め立ても、汚染水がしみだしてきて、川などを汚染します。普通に使ったプラスチックはリサイクルも簡単にはできません。食べ残しや飲み残しを洗ったり、素材を選別したり、非常に手間とコストとエネルギーがかかるので限界があります。だから、使うことを減らすことが一番だというわけです。

Q 削減って、具体的にはどうしたらいいのですか

高田先生 ペットボトルやレジ袋を減らすために、できるだけマイボトルやマイバッグを持ち歩くこと、汚れたプラスチックができるだけ出ないような暮らしにしていくことから始めることが大事です。もちろん、市民の意識だけでは限界がありますから、業界、政府、行政などの取り組みや石油に代わる新しいプラスチックの原料の開発なども必要です。(おわり)【聞き手・構成=久保勇人】

◆高田秀重(たかだ・ひでしげ)東京都出身。東京農工大農学研究院教授。マイクロプラスチック問題の世界的権威で、国連の海洋汚染専門家会議のワーキンググループ・メンバーとして世界のマイクロプラスチックの評価を担当。