安倍首相の一斉休校要請を受けて全国の教育現場には、大きな戸惑いや憤りや混乱が広がった。応じれば週明けから春休みまで休みとなり、28日が学年最後の1日になる。各地の教育委員会や教員には、徹夜で論議したり、準備や連絡に追われた人も少なくない。

東京都台東区の都立白鴎高1年の男子生徒は「試験勉強をしてきたのに、残念。外出できず部活もない。どうなるのだろう」と不安げ。岡山市立中の男性教諭は「急すぎる。期末テストもできない」と憤った。高知県の公立小の校長は「首相の要請は指示だと捉えているが、あまりにも稚拙」と話す。東京都足立区は4月5日まで休みとし、部活動なども中止。卒業式は「席の間隔を十分に空ける」などの制限や規模縮小で実施する方針という。

鹿児島市の女性会社員(45)は「小学1年なので、夫と交代で休むか、実家から祖父母に来てもらうか」と悩む。秋田市の公立小に娘が通うパート佐々木彩子さん(35)は「接客業で在宅勤務はできず、遠方の親も頼れない。本当にどうしよう」と肩を落とした。

政府は放課後児童クラブの開所を求めるが、人員確保などは未知数だ。高松市の民間学童保育は「利用児童以外を預かるのは難しい」「保育の現場も集団になる。学校だけを休みにするのはふに落ちない」と疑問を呈した。