“アベノマスク”が、タピオカドリンクに変わる。全国に8店舗を展開するタピオカドリンク専門店「フロルフロル」は1~30日の間、未開封のアベノマスクと、好きなタピオカドリンクを無料で交換する、寄付企画を行っている。

「アベノマスク」とも呼ばれる政府配布の布マスクは、いまだ全国への配布が完了しておらず、町にはよりフィルター効果の高いとされる不織布マスクさえ、飽和状態が目立っている。滋賀草津DE愛ひろば前店(草津市)の矢田恵美店長(51)は「捨てられていたかもしれない税金を、無駄にすることなく、有意義な使い方をしてくれる施設などに届けたいと思い、活動を始めました」と企画を立ち上げた理由を説明した。

滋賀県では、アベノマスクがまだ十分に行き渡っていないのか、まだ寄付枚数が少ないと言うが、名古屋3店舗では「1日で100杯分のマスクが集まっている」と反響を明かした。

ひろば前店には、400円~580円の41種類の商品がある。大阪など県外から来る人もいるというが、多くの人が「『もらうのが申し訳ない』と、400円のミルクティーを選ぶんです」と、人の温かさに触れ、うれしそうに話した。町にある「寄付ボックスに持って行きにくいが、お店なら気軽に持って行ける」という声も出ていると話す。気を使って、1杯交換し、もう1杯購入していく客も少なくないという。「良い事をして、良い物をもらえる」。集まったマスクは、老人ホームや保育所など、必要としている施設に届ける予定だという。【佐藤勝亮】