東京都の小池百合子知事が2日、都議会本会議の答弁で、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に関し、高齢者優先接種以降のスピードを加速させるため、都独自の大規模接種会場を複数箇所に設置することに加え、感染者の多い20代を優先接種の対象とする可能性も明かした。小池氏は「対象は、エッセンシャルワーカーや教育関係者、交通運輸業務の従事者など、さまざまなご提案や要望をいただいている。専門家の方からは行動範囲の広い20代の若者などへの接種も選択肢の1つと伺っております」。設置場所には「地域のバランスなども考慮するため、市区町村との連携が必要。都が主体となって、1日も早い接種の完了に向けて全力で取り組んでいきたい」と説明した。

新規感染者数は、20代がもっとも多い約30%前後で推移する状態が続いている。軽症や無症状も多い若年層が家庭内や職場にウイルスを持ち込むことでの感染拡大が懸念されている。

8日から開始する旧築地市場跡地の接種会場の対象には、従来予定していた警視庁と東京消防庁職員のほか、64歳以下の消防団員や柔道整復師、鍼灸(しんきゅう)師、獣医師らを加える方針も明言。同会場は東京五輪・パラリンピックの車両基地となるため今月末までしか使えず、その後は代々木公園のライブサイト使用を中止し、ワクチン接種会場に転用する。【鎌田直秀】