参院選(20日投開票)が3日、公示され、大阪選挙区(改選数4)から無所属で立候補したロックミュージシャン世良公則氏(69)が、大阪市内のホテルで第一声を上げた。

参院選への立候補を決めたのは直前。急な決断で諸処の手続きやボランティアの人数の確保もままならず、街頭での第一声もかなわなかった。それでも、無事に立候補の届け出を済ませることができ、まずはボランティアに感謝。「無所属で高い高いハードルを乗り切って戦いきっていきたい」と力を込めた。

大学時代を過ごし、音楽生活の礎となった大阪の地で、オーバーツーリズム(観光公害)が抱える問題を実感。同選挙区から立候補し、対策に取り組むと表明した。「大阪から声を上げてほしい。この選挙戦が終わった後からが本当のスタート。小さなチームですが戦っていきたい」と決意表明した。

出馬表明後はXで「世良さん」がトレンド入りしたり、「自民党のステルス刺客だ」などと反響は大きかった。自民党のステルス説はきっちりと否定した上で、SNSの反響については「あまり、そういうものに接しないように努力している。無責任な方もいらっしゃる。一喜一憂したり、迷いが生じたりしないように。間違った情報でやりにくさが生じないように」。聞こえがいい情報で舞いあがらないよう自制しているという。

シンガー・ソングライターのASKAや、タレントつるの剛士ら芸能関係者からも好意的な反応が寄せられていたが、「それぞれが自分の立場、テリトリーで無理のない立場で発信して応援していただけるのは、たいへんありがたい。ただ、その枠を超えて、僕と行動するようなことで、そのアーティストを中傷や批判にさらすのは僕も本意ではない。支障のない範囲でやっていただければ。僕の方から何か発信してもらうことは控えます」と話した。

選挙戦でも、現時点ではSNSを活用し、考えを発信していくことが中心になる。

「日本社会、おかしいと感じていませんか。どうせ私なんかが声を上げても影響はない、そんな風潮に流されていないか。あなたの1票しか、この世の中は変えられない。1票にはその力がある。そう思い直してほしい。あなたが行動し、信じるものに1票を投じてください」と訴えた。

では、日本社会をおかしくしたのは誰かとの問いかけには、「30年停滞している中で、ものごとを中心で決めている人がどこを向いているのか。我々なのか、どこか外なのか。そういうものを問いかけていくというのは我々1人ひとりにかかっている問題。選挙でも『誰かが何とかしてくれる』とか、『別に興味ないわ』というなら、どんな社会になってもいいんですねと問いかけてくるのが民主主義。参加していくことで疑問や答えを、自分の権利を行使することで表明してほしい」

アーティストではなく参院議員として、政治の中から変えていく決断については「外から言っていると、ヘッドホンでいうとノイズキャンセルのような状態と思っている。中で鳴っている音の一音を刻めるようになる。そこで、心ある議員と結びつきをつくっていきたい。参議院の6年間で、1つずつ急いで、何かを作っていきたい」と語った。

同選挙区からは世良氏のほかに、公明党の杉久武氏(49)、日本維新の会の佐々木理恵氏(42)、岡崎太氏(57)、自民党の柳本顕氏(51)、立憲民主党の橋口玲氏(56)、日本保守党の正木真希氏(46)、れいわ新選組の椛田健吾氏(44)、参政党の宮出千慧氏(40)、国民民主党の渡辺莉央氏(30)、共産党の清水忠史氏(57)、諸派の稲垣秀哉氏(56)、橋口和矢氏(55)、上妻敬二氏(67)、吉野純子氏(55)、平理沙子氏(34)、武内隆氏(62)、瀬戸弘幸氏(73)、無所属の東修平氏(36)の計19人が立候補している。

◆世良公則(せら・まさのり) 1955年(昭30)12月14日、広島県生まれ。大阪芸術大在学中の77年に世良公則&ツイストとして「あんたのバラード」でデビュー。「燃えろいい女」などヒット曲多数。俳優としても、98年公開の映画「カンゾー先生」で日本アカデミー賞助演男優賞に輝くなど存在感のある役を演じた。社会福祉活動にも積極的に関わり、犬猫殺処分撲滅キャンペーンなどに参加して動物愛護法の改正に力を尽くしてきた。