★週刊文春が報じてもなかなか大手メディアが追随しなかった首相・高市早苗サイドが制作し、拡散したといわれる中傷動画問題。最初は昨年10月の自民党総裁選で、総裁選に立候補するライバルの中傷動画から始まっているという。またその陣頭指揮を執ったのが高市の公設第1秘書・木下剛志という固有名詞まで出てきた。また木下が外部の松井健なる人物とネットのやり取りで松井が画像を作成したことも、松井本人の証言で明らかになった。松井と高市陣営の関係は総裁選挙からだったという。その規模は中傷動画を1日100から200本を量産・拡散していたといい、木下からの具体的な指示があったわけではないという。

★また総裁選挙で味を占めた高市陣営は今年2月の総選挙でも野党候補の中傷動画を作成・拡散し、中道改革連合の旧立憲民主党のベテラン・中堅議員が軒並み落選するという絶大な効果を発揮した。また文春の続報では高市陣営のSNS担当者は本人は否定しているものの、こども政策担当相・黄川田仁志の補佐官に就任している日本維新の会や自民党の元衆院議員・西田譲と名指しされた。そのほかにも今年3月、首相の名前を冠し、顔写真のイラストなども使い、強い関連付けを見せて発行された暗号資産サナエトークン(SANAE TOKEN)にも木下や松井が関与しているといわれ、サナエトークンは26年2月25日に上場後、初値から約30倍に急騰。発行初日時点での時価総額は約1700万ドル(約27億2000万円)を記録したが、高市がサナエトークンについて「全く存じ上げない」「承認を与えた事実はない」と否定し、価格は急落。一時約58%の暴落を記録した。

★高市は当初は「(松井と)面識はないとしていたが、19日のぶらさがりでは微妙に修正して「会ったことはない」と言い換えた。記者からも「オンラインか」と聞かれると「私に聞かれてもわからない」と開き直った。久々に争点をずらす「ご飯論法」となったが「私は秘書を信じます」では通用しまい。総裁選や総選挙の国民の投票行動をゆがめたかもしれない事案が首相の事務所が深く関与している可能性について、国民に疑念を抱かせることをわびて「直ちに徹底的に調べて報告します」の一択しか高市の答えはないはずだ。逃げ切るのはもう難しくなったのではないか。(K)※敬称略