元検察官の郷原信郎弁護士(70)が8日、自身のX(旧ツイッター)を更新。毎日新聞が8日付の朝刊やウェブで、7月23日に「石破首相、退陣へ」と報じた経緯の検証記事を掲載したことについて、私見を示した。

郷原氏は毎日新聞の検証について「全くの『説明』になっていない」と断じ「毎日の7月23日ネット記事は『石破首相は23日、自民党が8月にまとめる参院選の総括を踏まえ、同月までに退陣を表明する意向を固め、周辺に伝えた。』と報じた。その『意向を固め』と『周辺に伝えた』についての”検証”は全くなし」と記した。

毎日新聞は検証で、「7月の石破茂首相の退陣に関する記事は『自民党が参院選敗北の総括を8月中にまとめるのを踏まえ、首相が8月末までに退陣表明をする意向を固め、周辺に伝えた』との内容でした。その後、外交日程や自民党内の手続きで総括の時期が9月にずれ込むこととなりました」と説明。「政治を巡る報道では、各種の記者会見、街頭演説、講演での発言、公式発表などがニュースの素材となります。ただ、それだけでは政治の実相を伝えられないことも少なくありません。このため、政治家や関係者に対して個別に行う直接取材の結果などを総合した内容を報じています」としていた。

その上で「『首相退陣を前提にした自民党総裁選の準備を8月中に始めることになるとの情報を得ました。複数の政権幹部から「首相がすぐに退陣表明すると8月が完全に政治空白になるため、すぐに辞めるわけにはいかない』との説明を受けました。その上で、参院選総括を取りまとめる8月中に実務的な準備に入り、9月に総裁選を実施する方針であることを確認しました」「7月23日午後に首相経験者3人と首相が面会する前に、政権側が首相経験者側に接触して8月中の退陣表明を示唆した上で、それまでの政権運営への理解を求めていたことも分かりました」と取材経緯を明かし「これらを総合的に判断して7月23日夕刊1面で『石破首相、退陣へ』との見出しの記事の掲載に至りました」としていた。

一方で、毎日新聞は「当該報道をする時点で、首相本人が『政治空白』を懸念して報道を否定することは想定していました。しかし、記事の中で説明しておらず、読者の皆様を混乱させる結果となってしまいました。今回の報道への交流サイト(SNS)を含めた反響を教訓に、今後はより丁寧な政治報道を心がけてまいります」との見解も示している。

郷原氏は東大理学部を卒業後、東京地検検事、広島地検特別刑事部長、長崎地検次席検事などを歴任。弁護士として多くのメディア出演でも知られ、参院選や大阪府知事選などの出馬を打診されたことも報じられてきた。今年7月に「悪性リンパ腫の疑い」と診断された後に病状が悪化し、集中治療室(ICU)で治療を受け、「ステージ4」だったことも公表。先月29日には抗がん剤治療により「体調も相当程度回復しました」として、退院したことを報告していた。