自民党の小泉進次郎農相は9日の閣議後会見で、石破茂首相の辞任表明をめぐり、表明会見前日の6日夜に約2時間、総理公邸で首相と向き合ったことについて「総理を(辞任するよう)説得したわけではない」と述べた。
進次郎氏は6日夜、かつて自発的に辞任した経験がある菅義偉元首相とともに総理公邸を訪れ、自身は菅氏が帰った後も残り、約2時間にわたり石破首相と会談。この翌日に石破首相は辞任を表明しており、進次郎氏が結果的に自発的な辞任を促す役回りとなったのではないか、という見方が出ている。
「(以前の)会見では最終判断は総理がすべきと言った後で、最終局面では説得する側に回った。考えを変えた理由を教えてほしい」と記者に問われた進次郎氏は「まったく違います」と反論。「(6日夜の会談で辞任を)私は総理を説得したわけではなくて、総理の気持ちに向き合った約2時間だったと思っていただいた方が正確だ」と述べた。「まるで考えを変えさせるみたいな、圧力をかけるみたいな、一部の報道もありますが、政界の大先輩である総理に、そんな姿勢で向き合うわけはありません。仮に、そうやって向き合って心に響くわけはありません」と、自身が「退陣勧告」をしたかのような報道に不満を示した。
その上で「やはり人と人との向き合い方では、まず、自分がどう思うかより、非常に重い局面に向き合っている方が、何を大切にされようとしているのかという思いをまず伺うことから会話、心と心が結びつくというのは、そこから始まるのではないでしょうか」と主張。「とにかく自民党は割れてはならない。一致結束の環境をつくらなければならず、それができるのは総理総裁以外にない。その思いは、あの時も変わらず向き合い続けたつもりです」と理解を求めた。
一方、続投に強い意欲を示していた石破首相が、総裁選前倒しの要求が拡大する中で、衆院解散・総選挙も念頭に置いていたことについて「そういう考えの方も、総理の周りにはおられたと思います」とした上で「さまざまな声を届けることも支える側の務めではないか。最終的な判断を求めることはなく、最後はそういった意見を耳にした総理がご判断することだと思います」と述べた。
自身の父、小泉純一郎氏が首相時代、持論の郵政民営化を争点に自民党内の反対を押し切って衆院解散総選挙に踏み切ったことを持ち出されると、「(今回は)まったく状況は違います」とした上で「何度も申し上げている通り、党が割れている場合ではないので、一致結束のために解散が一致結束につながるのかといえば、その答えは明らかではないでしょうか」と述べ、解散には否定的だった認識を示した。
今回行われる総裁選については「早く自民党の中の混乱を収め、自民党だけでは国会も政治も動かない。野党のみなさんととともに物価高対策を含め、政治を動かすことができることが問われる総裁選になると思う」とした上で、自身の立候補については「自民党が一致結束する党の形、環境をつくるために私自身が何ができるかを考えて判断したい」とあらためて述べるにとどめた。

