パンサラッサなど多くの活躍馬を担当した池田康宏厩務員(65=矢作)が、16日土曜の阪神12Rインヒズアイズ(牝3、矢作)で“ラストラン”を迎える。今月末に定年のため、担当馬とともにパドックや、レースに行くのはこれで最後となる。厩務員一筋49年と半年。生まれ育った阪神競馬場で、その長きにわたった厩務員生活に幕を下ろす。

池田厩務員は「正直、さみしいよ。初勝利(ショウテンザン)を挙げたのも阪神だし、10年のJCダートでグロリアスノア2着と悔しい思いをしたのも阪神。ホウオウアマゾンで勝った21年アーリントンCは、僕の阪神での重賞初制覇&矢作厩舎節目の通算700勝だった。本当に思い出深い競馬場ですよ」と振り返る。

本来、矢作厩舎はパドックを周回する時、条件戦では赤と白を基調としたおなじみの厩舎服を着用するが、今回は特別にワイシャツにネクタイを締めて歩くことになった。

「奥さんが『最後だから』ということで用意してくれたんだよ。うれしいね。1歩1歩かみしめながら、歩きたいと思っている。今回ばかりは何時間でもパドックを回っていたいね(笑い)。それくらい感慨深いものがある」。

これまでパンサラッサでの海外G1・2勝をはじめ、担当馬は通算136勝。多くの勝ち星を積み重ねてきた。そんな池田厩務員の雄姿が見られるのもこれで最後。ラストランだと知った多くの友人から電話やLINEで当日、現地に駆けつけると連絡があったそうだ。そんな区切りの“大一番”に向け、池田厩務員は「今まで応援してくれたファンの皆さんには、本当に感謝しています。大変光栄な気持ちです。明日がラストになりますが、まずは無事に。アクシデントなくレースを終えてほしいと思っています。温かく見守ってくれたらうれしいです」と話していた。