過ちを無駄にはしない。水沼元輝騎手(22=加藤和)は固く誓った。
競馬開催中の調整ルーム居室内に通信機器(スマートフォン)を持ち込んで使用による9カ月の騎乗停止処分が明け、今週からレースに復帰する。「正直、辞めることも考えました」。自身が騎手として犯した過ちを受け止める。「続けるかどうかをまず先生(加藤和宏調教師)に相談しました。このまま辞めるというより、逃げることもできましたが厩舎スタッフや周りの方のサポートもあって、まず調教を頑張ろうと」。失った信頼を回復できるように、その時にやれることに向き合った。師匠の提案で報道陣に向け対応し、黒スーツで謝罪した。「あの場で謝罪できて良かったです。先生には本当に感謝したいです」と話した。
騎乗停止期間には北海道の牧場にも修業にいった。「いつも調教に乗せてくれる西田雄一郎先生の紹介で。そこで馬の出産にも立ち会いました。どんな馬でも1頭1頭大事にしていかなければいけない。そして生産から馬のお世話をしているスタッフを見て、頑張らないとと思いました」。自分が乗る馬がどういう過程でここまで来たのか、改めて実感した。それがレースに乗る騎手としての責任につながる。
9カ月ぶりの実戦は小倉競馬場。くしくも、騎乗停止前の最後の勝ち星(24年2月24日)を挙げた地になる。「待ってくれているファンもいるし、ゼロから少しずつ取り戻していきたいです」。信頼回復を目指す鞍上の復帰週に土日計6頭が集まった。世間からの厳しい声があるも分かるが、今はただ、過ちに向き合い、反省し、ゼロから立ち返った若手を応援したい。【舟元祐二】

