G1・6勝の名馬バーイードなど「シャドウェル」の主戦ジョッキーを務めたジム・クロウリー騎手(48)が現役引退を発表した。レーシングポスト電子版が1日、伝えた。

クロウリー騎手は昨夏、ヨーク競馬場の壮絶な落馬事故で骨盤と脚を骨折し、リハビリを続けてきたが、復帰を断念した。「人生で最も辛い決断でしたが、熟考を重ねた結果、騎手生活から引退する時が来たと判断しました。事故以来、体調を回復させるのに苦労しています。5回手術を受け、最後の手術は3週間前でした。精神的にはまだできると思っていますが、肉体的には、自分が目指すレベルに戻ることは不可能です。脛骨に金属棒、腓骨にプレート、骨盤前面に8本のネジで固定されたプレート、そして、股関節にも2本のネジが入っています。合計で、脚には20本のネジ、2枚のプレート、そして1本の金属棒が入っています。事故後に内出血を起こし、あの日は本当に死にそうになりました。今回の怪我を通して、自分が心から愛する仕事でこれほど長くキャリアを積むことができたのは、どれほど幸運だったかをあらためて実感しました。この章を閉じるのは辛いですが、大きな誇りを持って締めくくりたいと思います」と語っている。

クロウリー騎手は97年に障害競走のジョッキーとしてデビューし、06年に平地競走に本格的に転向。16年に英国リーディングジョッキーに輝いた。「(フランスを代表する障害競走の)パリ大障害、(チェコの名物障害競走)ヴェルカ・パルドゥビツカ、(オーストラリアの)メルボルンカップなど、これほど多様なレースに出走できた騎手は世界でも数少ないでしょう。そういう意味では、おそらく誰にも真似できない、唯一無二のキャリアだったと思います。夢にも思わなかったような素晴らしい経験でした」と自身の騎手生活を振り返り、「毎日、夢のような日々を過ごせたのは本当に幸運でした。世界最高峰の馬たちに騎乗し、若い頃には夢でしか見られなかったようなレースで勝利を収めることができたのはこの上ない喜びでした。この素晴らしい旅を共に歩んでくれたすべての人に感謝します。検量室を後にする今、私の心には感謝と素晴らしい思い出しかありません」と深い感謝を伝えている。今後は調教師に転身する予定。