早実・清宮幸太郎が敗れた西東京大会決勝戦から一夜明けた7月31日、午前9時30分。神宮球場正面玄関前に、ドローン班の私と小堀さんは集合。受付であいさつを済ませ、そのままグラウンドに向かいました。


神宮球場の上空約100メートルから撮影。左後方には建設中の新国立競技場と新宿のビル群が見えます
神宮球場の上空約100メートルから撮影。左後方には建設中の新国立競技場と新宿のビル群が見えます

 前日、3万人を超え盛り上がったスタジアムは、何事もなかったかのように静まり返っていました。この日はグラウンドの使用がなく、スタンドには整備をするスタッフが数人いるだけで、電光掲示板にはテスト映像が流れています。


ファントム3をマウンド手前にセットします
ファントム3をマウンド手前にセットします

 快晴の空の下、気温は早くも30度を超えました。早速、機体を組み上げ、まずは、マウンド付近から「ファントム3」を離陸。約100メートル上昇すると、レフトスタンド後方に、建設中の新国立競技場が見え、「これはすごい」と思わず口から出ました。(毎回同じリアクションですが、本当に感動します。)


機体は安定したまま真っすぐ上昇します
機体は安定したまま真っすぐ上昇します

 ところが、しばらくすると、機体からの映像を映し出したコントローラーの画面が乱れ始め、下半分がちらついたりします。今まで見たことがない現象です。時には映像が緑色の単色になったりします。神宮上空の電波が悪いことが考えられ、とりあえず一度、着陸させました。


三塁ベンチの扇風機で熱くなった機体とコントローラーを冷やします
三塁ベンチの扇風機で熱くなった機体とコントローラーを冷やします

 機体とコントローラーを三塁ベンチにあった扇風機で冷やしながら、何が原因か探りました。カメラ映像は機体側に記録されるので、コントローラーの画面とは関係ないとは思いましたが、一応確認すると、問題なく録画されていました。ビルの多い都会でのフライトで、やはり、電波干渉があったと思われます。安全には十分注意し、フライトを続けました。


小堀さんも久しぶりの参戦です
小堀さんも久しぶりの参戦です

 カメラの向きを水平から真下に変えたり、360度旋回させた映像を撮影しました。旋回するとまず、新国立競技場が見え始めます。神宮第2球場のネットが邪魔するかと思いましたが、ここまで上昇するとよく見えます。後方には新宿の高層ビル群も見えます。しばらくすると、緑色の芝が美しい秩父宮ラグビー場や、ドラマ「愛という名のもとに」や「101回目のプロポーズ」(ちょっと古いですが…)でも登場したイチョウ並木も見えます。そのままテニスコート、軟式野球場、絵画館が見え終了です。


この日、神宮球場の使用はなく、閑散としていました
この日、神宮球場の使用はなく、閑散としていました

 毎回どんな映像を撮ろうか、寝る前にいろいろ考えてしまうのですが、今回はどうしてもホームベースから低空でマウンドに向かう映像を撮りたく、最後にトライしました。迫力を出そうと高度を約1メートルにしてみましたが、打席の砂がプロペラの回転で舞い上がってしまい、慌てて高度を上げました。冒頭のシーンが、この後撮影したOK映像です。


 今回は神宮球場と国土交通省の許可を得て撮影に至りました。所轄の四谷警察署には事前に機体を持参し、機体の撮影とサイズの計測も済ませました。相変わらず準備は大変でしたが、皆さまのご協力の下、無事、フライトを終えることができました。ありがとうございました。【写真部・鹿野芳博】


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