ミラノ市長選「民主党」が話題
先週末、ミラノの市長選予備選挙が行われた。イタリアは地方自治がしっかりしているため(というよりも、都市国家が約150年前に統一して共和国になっただけですが)、市長が変わると町ががらりと変化する。僕がこっちに来た頃、ミラノではビジネスマン出身のアルベルティーニが市長となり、「まずは市役所サービスを刷新して、役所の手続きに時間がかかって庶民の仕事にさしつかえないようにしましょう」とばかりに大改革を行った。
同じ頃、ナポリ市では「汚い、危険、公害ひどい」の3Kシティーのイメージを払拭するべく新型バスが大量に導入され、僕にとっての初ナポリ旅行が非常に快適なものであったというのが記憶に深い。

- 民主党の代表候補に選ばれたサーラ氏は去年のミラノ万博の運営代表
今回のミラノ市長選の話題はPD(政党名)が独占しているといってもいい。Pはパルティート=政党、Dはデモクラティコ=民主。すなわち民主党だ。
先の予備選では去年のミラノ万博代表を務めたジュゼッペ・サーラ候補がミラノ在住の中国人に予備選の投票権を与え、日本でも話題の「五つ星運動」の党首で元お笑い芸人のベッペ・グリッロからは「民主党はメード・イン・チャイナだ」と揶揄された(実際には中国人だけでなくミラノ在住の外国人に、ですが)。

- 善戦した現副市長のバルザーニ氏はミラノの公共交通無料化をマニフェストとして戦った
一方、公共交通無料化を掲げ
一方で現副市長のフランチェスカ・バルザーニ候補は「ミラノの公共交通無料化」をマニフェストに掲げて注目された。
ちなみに、民主党の予備選なのでバルザーニ候補も民主党の政治家ですが、ショートカットが印象的な48歳の女性。なんだかどこの国でも民主党って政権公約も党員も似ているんだなとニンマリしてしまった。
結果は1位のサーラ氏とはダブルスコアの開きがあったのをバルザーニ氏がわずか5ポイント差まで猛然と追い込んだが、民主党を代表するミラノ市長選候補者にはサーラ氏が選ばれた。
バルザーニ氏が大きな支持を集める理由となった「公共交通無料案」。これは地下鉄、バス、路面電車のミラノではATMと呼ばれている公共交通システムで、1枚の切符(1.5ユーロ)で90分間、乗り継ぎが自由(地下鉄は1度だけ)。
子供を抱える家庭は楽
東京都の場合、都営交通は都民である高齢者はパスを申請すれば全線無料となるが、ミラノ市の場合は収入に応じた割り引きが適用されている。
一方で我が家のような子育て世帯は親と一緒であれば子供は無料。しかもイタリアの義務教育が終了する14歳まで(中学3年)、その恩恵を受けられる。我が家は毎週、土曜日にはミラノにある日本人学校補習校で国語の授業を受けに行かなければならないが、私鉄も市営交通も親が引率する限りは切符が無料なのはありがたい限り。
「外国人の政治参加」が勝った
今回の民主党の予備選、公共交通無料化よりも、外国人への政治参加呼びかけが受け入れられた背景には、ミラノの人口の実に18.6%が外国人(2015年)であることが大きいのかもしれない(ちなみに、ミラノ在住の日本人は約1500人で0.62%にすぎない)。
新しいミラノ市長は6月に決まる。(イタリア・ミラノから新津隆夫。写真も)

