大谷翔平投手が現地時間14日、ロサンゼルス(LA)・ドジャース入団会見を行い、「ドジャーブルー」のユニホームに初めて袖を通し、正式にドジャースのショーヘイ・オオタニが世界にお披露目されました。
スポーツ史上最高額となる桁外れの7億ドルの契約にはじまり、異例の97%後払いなど、会見前から地元LAのみならず全米の野球ファンから注目が集まっていた大谷投手。ユニホームのオンラン販売が開始から48時間でサッカー界のスーパースター、リオネル・メッシ選手らを抜いて史上最高額を記録し、3月28日のホーム開幕戦のチケット価格もうなぎ上りで、大谷フィーバーが席巻しています。
古巣エンゼルスはお隣オレンジ郡アナハイム市が本拠地のため、大谷選手にとっては車で1時間ほどのLAに移るだけで、生活環境が大きく変わることはなさそうです。ただ、距離や地図だけ見ると両球団が「目と鼻の先」という印象を持つ日本のファンも多いかもしれませんが、エンゼルスとドジャースは決してお隣同士というわけではなく、球団周辺の雰囲気や気質などもまったく違います。
エンゼルスとドジャースの違いを、現地在住者の目線から紹介します。
■地理的な違い
先に述べたように、エンゼルスはOCと呼ばれるオレンジ郡にあり、正確に言うとLAではありません。一方のドジャースタジアムはLAのど真ん中ダウンタウンのはずれにある小高い丘の上にあります。I-5と呼ばれる高速道路を利用してアナハイムからは、北西に約51キロ、時間にすると1時間ほどの距離です。ただ、これはあくまで渋滞なしでのことで、車社会のLAでは朝夕のラッシュ時などは通常の1・5~2倍ほど時間がかかることも珍しくなく、ダウンタウン周辺は渋滞も激しいため、気軽に通勤できるほど近くはありません。
■周辺環境の違い
ディズニーランドもあるアナハイムは、LAに比べて比較的治安が良いことで知られ、球場周辺でホームレスを見かけることも少ない印象です。一方、LAは広大なのですべてのエリアに共通しているわけではありませんが、コロナ禍以降ホームレスが急増し、薬物のまん延や万引き、強盗、略奪などの犯罪も社会問題になっています。全体的に昨今の治安はどこもこの10~20年で最悪といえる状況で、日本の感覚で夜間に徒歩で外出するのはとても危険です。ドジャースタジアム周辺エリアも治安はよくありませんので、移動には車やウーバーを利用するなど注意が必要です。
■球団の歴史の違い
LAに住む人にとって、地元の大リーグのチームといえばドジャースで、エンゼルスと考える人は少数派です。そして、地元の野球ファンはメジャー屈指の名門ドジャースを誇りに思っています。それは、ニューヨーク・ブルックリンを本拠地としていた時代を含めると19世紀から存在する伝統ある球団であることが1つ、そしてもう1つは実力でもリーグ優勝24回、ワールドシリーズ優勝7回を誇るリーグトップクラスの球団であることがあります。また、黒人初のメジャーリーガーとして知られるジャッキー・ロビンソンをはじめ、トルネード旋風を巻き起こした野茂英雄元投手ら多くの名選手を輩出していることでも知られます。
一方のエンゼルスは、1961年に球団拡張計画に基づいて誕生した新球団で、97年から03年にかけてはウォルト・ディズニー・カンパニーが経営に携わっていたことで知られます。大谷投手がいた6年間で1度もプレーオフに進めなかったことからも分かるように、近年は低迷を続けています。地区優勝は9回、ワールドシリーズ優勝は02年の1度のみで、殿堂入りした選手の数でもドジャースとは圧倒的な差があることも、LA市民にエンゼルスファンが少ない所以なのかもしれません。
■ファンや球場の雰囲気の違い
ディズニーランドが近く、ディズニーが経営に携わっていた時代もあったことなどから、エンゼルスタジアムにはチームカラーのミッキー像があったりと、アットホームで明るい雰囲気があります。家族連れも多く、ヤジを飛ばしたりすることはあっても穏やかな応援が多い印象です。一方ドジャースは、地域柄メキシコ系やアジア系のファンも多いので球場の雰囲気が多国籍です。また、熱狂的なドジャーブルーのファン中に敵チームのユニホームを着た人がいれば、大ブーイングを浴びるでしょう。声援も半端ではありませんが、敵選手に対しても容赦ないブーイングが起きます。
■メディアの注目度の違い
ドジャースへの移籍をCNNや経済誌フォーブスまでが速報で伝えるなど、大々的に報道されていましたが、エンゼルスとドジャースでは全米レベルでの注目度が全く違います。もちろん破格の契約内容ということもありますが、移籍市場最大の目玉だった大谷投手が名門ドジャースに入ったということで全米の注目度がさらに高まった部分はあったと思います。
これから大谷選手の活躍が始まれば、スーパースターとして誰もが興味を持ち、プレー以外の部分でもメディアの露出が増えることになるかもしれません。ここLAはハリウッドのお膝元ですから当然、独身の大谷投手はパパラッチに狙われることも出てくるでしょう。また、敵地に行けば激しいブーイングで迎えられることもあるかもしれません。
日本や地元野球ファンの間ではすでにスーパースターの大谷投手ですが、これからは全米にShohei Ohtaniの名前が一気に知られることになりそうです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)







