「第34回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権」(主催・株式会社がまかつ)が7、8日に長崎県五島市の福江港沖の磯で全国の予選を突破した48選手(シード、がまかつ推薦含む)が参加しグレ(30センチ以上)の総重量を競った。「大小瀬(オゴゼ)の北」で行われた8日の決勝戦は幸森大輔選手(45=がまかつ推薦)が総重量4360グラムで同900グラムの寺田泰隆選手(37=五島列島)に完勝、09年に続き2度目の優勝を果たして歓喜の涙を流した。3位には2年連続で城本透選手(30=シード)が入った。

 「勝ったぞーっ!」。勝利の雄たけびを上げた直後、幸森選手はその場に崩れ落ち、そして、泣いた。極度の緊張状態から解放され、力が抜けた。「集中力を途切れさせないように言い聞かせながら、ずっと気を張ってやってきました。本当にうれしい」。6年ぶり2度目の優勝は、それほど格別のものだった。

 試合運びは完璧だった。予選リーグの4試合は全勝突破。2日目の準々決勝は11年の王者・猪熊博之選手(推薦)に快勝、準決勝でも城本選手に3倍近い差をつけ完勝、決勝に駒を進めた。

 決勝でも開始10分で1匹目を釣り上げ先手を取るとペースを緩めず4匹を追加。5メートルの長ハリスで仕掛けをなじませ、サオ先とラインでアタリを取り、釣り座を交代した後半も2匹を加えて総重量4360グラム。900グラムの寺田選手を圧倒。予選を通じて1度も負けない“完全優勝”だった。

 20代からトーナメントに出場してきた。09年には念願のG杯グレに初優勝。翌年も準優勝した。だが11、12年は予選リーグ敗退。シード権を失った13年以降は地方予選で敗れ、全国へのキップさえ手に入れられなかった。トーナメンターとしての結果を残せないことから「あまり勝てないようなら大会に出場するのも控えようか」とまで思い詰めた。

 推薦で出場が決まると「出る分、やらないと」と、責任と重圧を感じてきた。「今回は後がないというか、勝てなければこのままクロ(グレ)釣りをやめるんじゃないか」と考えるほど、自分を追い込んだ。試合ではマイペースで淡々と釣っているように見えたが、実はハリを結ぶときには手が震えていたという。

 「G杯グレは年に1度の締めみたいなもの。(来年出場の)シード権をもらってうれしい。できればまた優勝したい」。勝てない苦悩、推薦出場の重圧…すべては優勝で消え去り、そして新たな野心が芽生えた。【高垣誠】

 ◆幸森大輔(こうもり・だいすけ)1970年(昭45)5月18日、福岡県北九州市生まれ、同市在住。建築業。所属クラブはGFG京築。グレ釣り歴は約30年。ホームグラウンドは大分・鶴見。