ヘラ釣り初心者に贈る「藤井秀和のヘラブナ釣り講座」。第2回はエサについての解説です。ヘラブナの主食は植物性プランクトンで、麩(ふ)エサやマッシュが水中で漂う姿が、この主食に似ているとも考えられています。グルテンエサは、マッシュポテトとグルテン粉を混ぜ合わせたもので、ブレンドされまとまりの良いエサです。ヘラブナ釣りのエサは多種多様ですが、ここではグルテンエサを中心に説明します。

 ヘラブナ釣りにはいろんなエサが使われます。主なものは麩エサ、マッシュ、グルテン、トロロなどです。ほかにウドンや釣り場で簡単に作れる即席ウドンなどもあります。エサは釣り方で使い分け、麩エサの両ダンゴや麩エサのバラケ(寄せエサ)にクワセ、両ウドン、両マッシュ、両グルテンなどさまざまです。季節、水深などによってもエサは違います。こんなふうに聞くと何を使うべきか迷ってしまうかもしれませんが、私のお勧めはグルテンでの底釣りです。ここでは、グルテンエサについて説明します。

 ◆特徴 このエサは、比較的季節に関係なく使用可能です。また初心者の方が一番苦労するのがエサ付けですが、グルテンはエサが作りやすく付けやすい上に適度にバラけて魚の寄りが保て、確実に食いアタリが出せるエサなのです。晩秋から初冬にかけて、管理池などでは新ベラ(養魚場で育成していたヘラブナ)が放流されます。この新ベラはグルテンエサに強い興味を持ち、食いも良いのです。

 ◆釣り方 釣り方のおすすめはエサを底につけて釣る底釣りです。水底にグルテンエサが漂い、そこに魚が寄ってきます。そこでウキに出る確実なアタリだけを合わせるというのが基本的な釣り方となります。底取りさえ出来れば安定した釣果が望めますし型も良くなる傾向にあります。

 ただし、グルテンエサにはたくさんの種類があります。まずは、底釣り用のグルテンエサから始めてみて下さい(袋に表示してあります。釣具店の店員さんに教えてもらうのもいいでしょう)。回数を重ねて慣れてきたら、エサの性質などが分かってくるので、ブレンドも可能となりステップアップできるでしょう。

 ◆エサの作り方 エサの袋に表示してあります。それを参考に、まずは標準的な作り方で作ってみて下さい。50~100ccのカップで少量ずつ作るのがいいでしょう。1度に大量に作ると、風などによりエサが変化してバラケが悪くなったり表面が硬くなったりするためです。

 ◆付け方 グルテン繊維が入っていますので、ハリを下から引っ張り上げるようにエサに入れ、チモト(ハリの軸部分)を押さえるように付けて下さい。このエサは水中で膨らみますのでハリが隠れるぐらいの大きさに付けるのがおすすめ。

 グルテンにも、グルテン量の多い少ない、バラケ性が高い低い、重い軽いなど性質に違いがあります。私は用途によって単品使いやマッシュの抜けのグルテンと、膨らむグルテンをブレンドしたり重いグルテンを使用したりしています。