アユ釣りに変革の波が来ている。ルアー釣りを新たに認める河川が多くなり始めた。スピニングリールまたはノベザオを使い、アユに似せたミノーなどにコロガシ用の針(2~3本)をつけて流れの中に入れる。この釣りには、「賛否両論」ある。

山梨・桂川で地元漁協で規則を確認した上で、実際に挑戦してみた。一見、手軽にも思える。ただし、リールを使うと飛びすぎて対岸の枝などに引っ掛かる。道糸を出し過ぎて、下流の釣り人の足を釣ってしまうなどの欠点もある。

反対派の意見はこうだ。「魚に傷を付けやすい。古来の伝統釣法で趣のある釣りがしたい」(日本友釣会連盟・相吉孝顕相談役=87)「アユが釣れないからあの手この手というのは、好ましくない。長いハリスで針を何本もつけるのはどうか」(日本釣りジャーナリスト協会・鈴木康友会長=72)。ほかにも、「アユ狙いなのか、ほかの魚を釣っているのか分からない」「友釣りの暗黙の了解を守らず、前を突っ切ったり、サオを出している人の下流で平気でサオを出す」などの声があった。

友釣りを楽しむ人の中にも、オトリ店のない河川でルアーを使い、オトリとなるアユを確保していた人はいる。25年近く前、記者もある釣具店でダイワ精工が開発した早瀬用のフローティング・タイプ、トロ場用シンキング・タイプ(各1500円)、速攻サスペンド・タイプ(1800円)を見ている。

アユの友釣りを取り巻く現状は厳しい。年によって釣果が左右されるだけではない。オトリ店の廃業、友釣り人口の減少、サオや道具の価格が高くて敷居が高いという敬遠傾向もある。

沖釣りではLT(ライトタックル)アジ、エギタコ、テンヤタチウオなど、時代の流れに応じて釣り方を変え、人気を集めている魚種もある。アユはどうなのか? (次週、後編へ)