“アニキ”こと俳優哀川翔(61)が息子で俳優の福地展成(25)ほか釣り仲間の計6人で、千葉・勝山「宝生丸」(小滝俊之船長=27)のアジ&イサキのリレー釣りに挑戦した。取材した6月下旬、アジは30センチオーバーの良型も交じるが、つ抜け(10匹以上釣ること)が難しい状況だった。だが、そこはもってるアニキ! 無事、つ抜けも達成しイサキもふんだんにゲットした。

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勝山沖のアジは水深が深いこともあり、30センチを超えるいわゆる“尺アジ”の宝庫でもある。だが、取材で乗船した6月下旬には「ここ最近は青物やマグロも入ってきているので、アジは船を走らせて反応を探しながらの釣りになっています」と小滝船長。実際、この日も各所でナブラが発生していた。

アジのポイントは港から10分ほどの近場。小滝船長の「タナは上から60~68メートルで探ってみてください」の指示で一斉にサオを出した。誰よりも先にサオをしならせたのはアニキだった。「62メートルできた。走っていないからサバではない!」と思わず笑みがこぼれた。だが、その間に福地のサオもしなる。「68メートルから少しずつ探った」とこちらも興奮気味。船中1匹目を上げたのは福地だった。一方、アニキは「バレた…」と小声で話した。「引きが強かったので大きいと思う。でも、アジは口が弱いから、大きくなると上げるのも難しくなるよね」。

その直後、再びアニキのサオがしなる。慎重にやりとりをし、良型のアジをゲット。これをきっかけに船中は入れ食いタイムへと突入。「すごいな~。入れたらすぐにくるよ。しかも、みんなデカい。これでは休んでいるヒマがないよ」とうれしい悲鳴となった。アニキは2時間ほどで、最大38センチ計13匹をゲットした。

その後、ポイントを移動してリレーのイサキにスイッチ。「タナは15~20メートルで探ってください。イサキはタナが頻繁に変わるので、置きザオよりもしゃくった方が釣れます」と小滝船長。だが、アニキは置きザオ派。「指示ダナまで落としたら電動リールをゆっくり巻いて誘ってみる」。これが結果的に正解となり、開始1時間ほどでつ抜けを達成した。

すると「マダイとかいないのかな?」。アニキの釣り人魂に火が着いた。それまでのハリス2号3メートルからマダイも狙えるハリス3号4・5メートルに変更し、指示ダナの最も下で待った。その2投目、いきなりグンとサオ先が海面に刺さった。「来た!」。その瞬間、サオを手にして合わせた。「デカい、デカい! この引きはマダイじゃないか!」。だが、無情にもハリスが切れ、獲物を確認することはできなかった。「くそぉ~、上げたかったなぁ」。悔しがるアニキの横では、釣り仲間たちがダブルやトリプルを決めていた。「やっぱり戻そうかな…」。数釣りの魅力にも心が揺れたアニキだった。

結局、マダイを視野に入れつつの釣りを継続。最後の1投に掛かったのは8センチのチビイサキ。「この大きな針でも食うんだ。かわいいねぇ~。大きくなって戻って来いよ!」のリリースが締めとなった。

結局、アニキはアジ最大38センチ含む13匹、イサキ21匹をゲット。釣り仲間のアジ最大は大橋詠二さんの40センチ、イサキ最多は三森成将さんの43匹だった。

小滝船長は「船を止めてアジを狙えたのは久しぶり。なかなか貴重な1日です」。アニキのツキの太さを見た1日となった。【川田和博】

▼勝山「宝生丸」電話0470・55・2777。アジ&イサキのリレー釣りは集合4時30分、餌&氷付きで1人1万1500円。現在、午前マダイも受付中。※詳細は必ず電話でご確認ください。