【手塚眞氏(上)】

 「鉄腕アトム」「火の鳥」などで知られる漫画家・手塚治虫氏(1928~89年)の遺伝子解析プロジェクトを、遺伝子検査のジェネシスヘルスケアが行った。トレードマークのベレー帽に残されていた髪の毛からDNAを採取した。

 協力した長男のヴィジュアリスト手塚眞氏(54)に聞いた。

 「遺伝子検査のことを知り、DNA研究って面白いな、これから発展するだろうな、と未来的な感じがすごくしたんです。手塚治虫のテーマの中にDNAのようなイメージがある。相性が良い感じがした。うちに手塚の遺品があるので、そこから再現できるだろうかと、このプロジェクトが始まった。最初は半信半疑で、毛髪からDNAが取れるとは聞いていたが、亡くなったのは26年も前。いくら何でも古すぎると思ったが、素晴らしい技術でDNAを抽出することができた。ビックリしました」

 -結果はどう思いますか

 「なぜ手塚治虫が天才といわれるほどの才能を持っていたのか。今のところ結果に関しては納得できる」

 治虫氏は外出先から「本棚の○段目にある本の○ページの絵を参考にしなさい」とアシスタントに指示するほど記憶力が抜群だった。「火の鳥」「ブラック・ジャック」など複数の作品を同時進行するほど処理能力も高かった。記憶力や情報整理能力などが卓越していたことが、DNA検査でも浮かび上がった。

 「偉人といわれる方には多くの伝説がありますが、手塚治虫はまさにそういう人間です。記憶力、想像力、計算能力など、いくつも集まったすごさがある。遺伝情報は、いい意味で研究途上の段階で、今後さらに発見されるものが多いでしょう」(ライター:大田健)