はげの原因の1つに、男性ホルモンが悪さをしている「男性型脱毛」というものがあります。生え際の脱毛、頭頂部の脱毛が特徴的です。それは、男性ホルモンが旺盛であることに変わりなく、性欲も旺盛であることは、間違いありません。

 性欲は強いのですが、女性にとっては、ビジュアル的に受け入れがたい? というのも事実で、もしかしたら、人間の繁殖力は、こうして制御されているのかもしれません。

 もちろん、男性ホルモンと関係のないはげ、たとえば、ストレスによる脱毛もあり、これは性欲とは無関係です。

 女性にも、女性の「男性型脱毛症」というのがあります。生え際のラインは変わらないのに、頭頂部を中心に脱毛や髪の毛が細くなる現象が起こります。女性も、男性ホルモンが旺盛になると性欲が高進することは分かっているので、脱毛の女性も“スケベ”といっていいかもしれません。

 また、見た目で男性の魅力が現れる例をもう1つ。イギリスのリバプール大学とスターリング大学の研究者によると、男性は顔に傷があった方が魅力的に見えることが分かったそうです。普通に考えると、傷のある顔よりもそれのないきれいな顔の方が魅力的に見えそうに考えてしまいがちですが、そうとは言えないようです。220人にさまざまな傷を持った人(傷がない人も含む)の顔写真を見せ、どの写真が魅力的かアンケートしたところ、顔に傷のある男性を好む女性が多いという結果になったそうです。ただし、どのような傷でもいいというわけではなく、切り傷の跡やケガの跡のような傷痕が魅力的に見えるようで、ニキビや湿疹跡のようなものでは効果がなく、むしろ否定的に見られる可能性があるとのこと。一方、女性の傷に関しては、特に影響がなかったそうです。

 なぜ女性が男性の傷に魅力を感じるのか、正確に分かっていないようですが、傷を見せることによって個性や過去の経験といった情報を与え、ワイルドで男らしく見えるのも1つの要因のようです。2カ月連続交通事故に遭い顔に傷を負った知り合いがいますが、このアンケート結果を知り「傷が残っていればよかった」と嘆いていました。

 ◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。