グッスリ寝るためには、体温のコントロールが重要なカギとなります。すなわち、布団に入る前までに体温を高い状態にして、寝る直前に体温を下げることで、グッスリ眠れるようになります。

 体温を効果的に上げる方法です。3、2、1時間前と覚えてください。

 寝る3時間前…「食事」。キムチや唐辛子など、カプサイシンを含むものを食べると、効果的に体温を上げることができます。

 寝る2時間前…「ストレッチ」。ストレッチなど軽い運動をすると、体温が上がります。激しい運動は交感神経が高まり、逆効果ですから注意が必要です。

 寝る1時間前…「お風呂」。温度は38~40度がオススメ。ぬるめのお風呂が交感神経の高ぶりをおさえ、入眠を促します。熱めのお風呂に入ると、神経が高ぶってしまって、睡眠には良くありません。

 お酒も、体を温めますが、交感神経を高めるので、睡眠にはあまりよくありません(少量ならOK)。

 また、寝るころに体温を下げるという意味では、入眠時は、室温を低めにしたほうがいいでしょう。

 さらに、質の高い睡眠をとるには、寝る2時間前ぐらいからは、部屋を間接照明にするといいでしょう。睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌は夜に高まりますが、強い光をあびるとメラトニンの分泌が少なくなってしまうのです。また、パソコンや携帯電話の画面から出る「ブルーライト」という光は、メラトニンを減少させるので、寝る前はパソコンやスマホの画面を見ない方がいいでしょう。枕元にスマホを置いておくと、どうしても寝ようと思う直前まで見てしまうので、スマホは枕元から遠いところに置いて充電したほうがよく、私もそれを実践しています。また、静かな音楽をかけながら、ハーブティーを飲む時間を持つことをお勧めします。

 寝つきを良くして、質の高い睡眠を得るには、3時間前から準備をしておくことが大切なんです。

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビではコメンテーターのほか、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)など人気番組の医療監修も数多く務める。著書は「今すぐ『それ』をやめなさい!」(すばる舎)「ダイエットはオーダーメイドしなさい!」(幻冬舎)「ねぎを首に巻くと風邪が治るか?」(角川SSC新書)など。気分転換は週2回のヨガ。