『噛んで話して口腔内ケアを』
新型コロナウイルスが飛沫(ひまつ)感染しやすいのは、口腔(こうくう)内の細胞に感染し、ウイルスが増殖しやすいからと考えられている。新型コロナウイルスにとって、口は単なる入り口ではなく、すみかのひとつの可能性がある。
「歯磨き習慣や1日1回の舌みがきに加え、食事のときにしっかりかんで唾液量を増やすことも大切です」と、栗原ヘルスケア研究所の栗原丈徳所長(歯科医師)。「内科医と歯科医が教える 病気知らずの食べ方みがき方」(日東書院刊)などの著者である。
「唾液は、殺菌・抗菌作用や、食べ物を柔らかく飲み込みやすくする一方で、味を感じるためにも役立っています。よくかんで料理を味わうことは、よりおいしく感じることに加え、唾液量を増やして健康に役立つのです」
食べ物の味は、唾液に溶け込んだ味物質が、舌の味蕾(みらい)という器官に届くことで感じる仕組みがある。よくかまずに飲み込むような食べ方をしていると、味蕾へ味物質が届きづらくなって、味を感じにくくなる。
「味をあまり感じないと濃い味を好むようになり、塩分の多い料理や糖質の多い料理を好み、生活習慣病につながります。味覚を守り、健康を守るためにも、しっかりかみましょう」
もうひとつ、長期間のマスク着用と会話控えで、口の周りの筋肉が衰えてしまった人がいる。口を動かすことで唾液量を増やし、食べ物の飲み込む力が強くなる。しっかりかんで、感染予防に努めながら話そう。

