『歯周病菌が全身炎症の引き金に』

コロナ禍では家に閉じこもり、誰とも会話をせずに過ごす人がいる。感染予防の観点からだが、運動不足による運動機能の低下や、認知症の進展などに陥る人が増えると懸念されている。最近、骨格筋の減少や認知症に、口の中の歯周病が関与することがわかった。

「歯周病菌は、歯肉の毛細血管に侵入して全身を巡ります。骨格筋は歯周病菌によって脂肪化が進むことが報告されています。また、認知症に関わるアミロイドβ(脳に蓄積するタンパク質の一種)も、歯周病菌が引き起こす全身の炎症が関与することが示唆されています」とは、栗原ヘルスケア研究所の栗原丈徳所長(歯科医師)。「口の健康と全身疾患の関連性」をテーマに研究・講演活動などを行う。

歯周病菌と出会った骨格筋は脂肪化が進むことで、筋力量の減少に伴う身体活動能力低下のサルコペニアを引き起こす。一方、歯周病菌が全身を巡ると、それを排除しようと免疫細胞が働き炎症が起こる。この免疫細胞のひとつ、マクロファージの中にアミロイドβが見つかったのである。

「歯周病が全身で炎症を引き起こし、あちらこちらで生じたアミロイドβが脳に集まった結果、認知症のひとつアルツハイマー病になると考えられるのです」

骨格筋を守るための運動習慣や、認知症予防のための他人とのコミュニケーションは重要だが、歯周病予防も大切になる。新型コロナの感染予防に加え、全身の健康管理も心掛けよう。(おわり)

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