口が渇く、いわゆるドライマウスと呼ばれる病態は原因によって治療や対処法が異なります。医療機関で行うものと、患者さん自身がセルフケアで実施するパターンがありますから、まずは何に起因しているかの見極めが大切です。
歯科医院では「唾液分泌促進剤」の処方が可能ですが、保険適用がシェーグレン症候群(自己免疫疾患)や放射線治療に伴う口腔(こうくう)乾燥症に限定されるといった制限があります。東洋医学的なアプローチも効果的であるため、漢方薬の処方も一部認められています。
体内の水分を整えて舌のむくみなどを改善する薬や、比較的体力のある患者さんで体のほてりや喉の渇きが認められる場合に処方する薬が代表的です。
しかしながら漢方といえども副作用があり、他の薬剤との重複などにも十分気をつける必要があります。受診の際は「お薬手帳」を必ず持参した上で相談するようにしてください。
患者さんが案外気づいていないことが多いドライマウスが、全身疾患の治療で普段服用している薬剤の副作用によるものです。この場合は内科など、処方した医師と連携を取り、薬剤の変更や減量を依頼した上で改善を目指します。患者さん自身で勝手に休薬することは生命に関わる問題にもなりかねないため、自己判断は禁物です。
自身で行うセルフケアは唾液腺マッサージや保湿剤の使用がメインになります。優しい力で毎日少しずつ唾液腺に刺激を与えることで、自己治癒力の向上を促します。保湿剤は、渇いて痛む口腔粘膜の保護を目的とする場合と、洗口液など清掃に役立つものなど、目的に応じて製品を選びます。夜間の乾燥を防ぐマウスピースなどもあります。潤う状態をキープすると体調に変化が起き症状の改善につながる、「誘い水」のようなイメージです。

