2018年4月に保険適用が認められた「心臓ロボット手術(心臓ロボット支援下手術=ダヴィンチ)」。その保険適用が認められた疾患は「僧帽弁閉鎖不全症」で、治療は「僧帽弁形成術」です。今回は、まず僧帽弁閉鎖不全症を知って頂きたいと思います。
僧帽弁閉鎖不全症とは心臓の弁に問題が生じる心臓弁膜症の1つ。肺で交換された血液は、肺静脈を通って左心房に入り、心房が収縮すると左心房と左心室の間にある僧帽弁が開いて左心室に流れ込みます。それが、僧帽弁閉鎖不全症になると僧帽弁の閉鎖が障害され、血液の一部が再び左心房に逆流してしまう状態です。
僧帽弁は2枚の葉っぱのような弁尖(べんせん=弁を開閉する扉の役割を果たす膜の部分)でできていて、その弁を支えている糸状の腱索が切れたり伸びたりして弁がきちっと閉じなくなります。これは組織が弱くなるためで、原因としては感染性心内膜炎、リウマチ熱の後遺症、心筋症、虚血性心疾患などいろいろ考えられます。
そして、僧帽弁閉鎖不全症になると血液循環がスムーズにいかなくなるので、さまざまな症状が出てきます。とりわけ多いのが2つの要因で起こる症状。1つは、不整脈が起こることで出てくる「動悸(どうき)」。脈が不整に打ち始めるので、それを動悸と感じるのです。2つ目は心不全による「息切れ」「せき」「疲れやすさ」。階段を上ると息切れがし、疲れやすくなってせきが出る。かなり重症になるとせきが止まらなくなることもあります。軽度であれば循環器内科で様子を見て、手術が必要となると心臓外科で対応します。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

