【阪神福島圭音】支配下へ不退転の決断 高難度チャレンジ「逆足スラ」が示す向上心

阪神の福島圭音外野手(24)が昨秋から二盗の際に滑る足を逆にしました。豪快なヘッドスライディングが代名詞である一方、異例の試みに走塁への貪欲な気構えがうかがえます。念願の支配下選手登録を果たし、1軍では奮闘を続けています。

プロ野球

★福島圭音が挑む「逆足スラ」の真相

  • ヘッドスライディング頼みからの脱却を目指す理由
  • なぜ左足でのスライディングに変更したのか
  • 1軍での盗塁失敗から感じたレベルの高さ

◆福島圭音(ふくしま・けいん)2001年(平13)10月6日生まれ、埼玉県秩父市出身。名前は母が俳優ケイン・コスギのファンだったことが由来。尾田蒔小3年から秩父ドリームスで野球を始める。秩父第一中野球部から埼玉・聖望学園へ。甲子園出場はなし。白鷗大では2年生から外野のレギュラーをつかみ、4年春には関甲新学生リーグ新記録のシーズン20盗塁。趣味は将棋。今季推定年俸は420万円。171センチ、69キロ。右投げ左打ち(写真は25年11月、NPB AWARDS 2025 ウエスタン・リーグ最多盗塁者賞受賞時)

3月31日、支配下登録された福島が阪神1軍に合流、和田豊ヘッドコーチと握手

3月31日、支配下登録された福島が阪神1軍に合流、和田豊ヘッドコーチと握手

練習用パンツに隠された秘密

福島の練習用パンツに、何となく違和感があった。左右の尻がともにうっすらと汚れて、生地がケバ立っていた。普通、スライディングする側は片方だけ。黒土がついたり、こすれるのは左ひざと左尻、右ひざと右尻のセットだ。一体なぜ? 快足ランナーの秘密が隠れている気がした。

昨年9月、福島はひそかに大きな決断をしていた。

「スライディングの足を左に変えよう」

25年10月、走塁練習する阪神福島。これまでとは逆の左足でスライディング

25年10月、走塁練習する阪神福島。これまでとは逆の左足でスライディング

育成選手として2年目のウエスタン・リーグを終えたばかりのタイミング。33個の盗塁を決め、初タイトルに輝いた。1年目の15個から倍増以上。盗塁に関しては何の心配もないはずだったが、解消すべき課題を2つ抱えていた。

1つがヘッドスライディング頼みからの脱却だ。プロ入り以来、内野ゴロでの一塁駆け込みも、盗塁も、ホームクロスプレーもほとんど頭から突っ込んできた。代名詞にはなったが、当然ながらケガのリスクを伴う。実は昨年、2軍で決めた盗塁はほとんどが頭から。2軍走塁担当の工藤隆人コーチらと相談する中で、足のスライディング技術を高めることが課題だった。

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1977年6月生まれ、長野市出身。2003年入社。
約20年の取材歴の大半が野球担当。記者としては阪神、広島、オリックス、中日、高校野球などを歴任。現在は大阪を拠点に阪神担当を務める。
取材で意識していることは「見えないものを見る」。アスリートの魅力、競技の奥深さを広い世代に届けたい。 趣味は旅行、料理、立ち飲み、お笑い、ドラマ、ウオーキング。喫緊の課題は高血圧。