東京都に住む1万6000人を超える高齢者を対象にした追跡調査を行ったところ、かかりつけ歯科医院を持つ人は明らかに長寿で、要介護状態にもなりにくいという研究結果が2013年に発表されています。また、愛知県のトヨタ関連健保組合などでの調査では、定期的な歯科受診がQOL(Quality Of Life=生活の向上)に寄与するというデータが2011年に出ています。
48歳までの総医療費は平均より高いものの49歳を過ぎると平均を下回っていく、65歳になると平均35万円であるのに対し定期受診の人は20万以下になるという具合に、どんどんその差が広がる傾向にあるようです。こうした背景から、口の健康が全身に与える影響がクローズアップされ、近年では「国民皆歯科健診」というキーワードも登場しました。
真っ先に対策を講じなければならない歯周病の特集記事も、あちこちで目にする機会が増えています。しかしながらここにはひとつ落とし穴があります。歯周病が「沈黙の病」と称される理由は、自覚症状の乏しさゆえです。つまり一般的な記事に掲載されているセルフチェック項目は病状がかなり進行してからでないとわからないような特徴が挙がっています。「歯が揺れていないから自分はまだ大丈夫」などと、逆に安心材料になってしまう恐れがあります。
実際にクリニックに足を運ぶ前に、セルフチェックとして簡単なのが歯ぐきの色や腫れを日常的に把握する方法です。鏡を見ながら唇をめくって見てみましょう。唇の裏側のピンク色が目安になります。歯ぐきの色がそこよりも淡いようであれば健康、同程度か、明らかに濃い色を呈していれば危険信号です。歯周病は磨きにくい部分にこそ発症します。下の前歯だけでなく、上の奥歯までしっかり観察することが大切です。

