夏休みに入るとお子さんの矯正相談が増えるのですが、保護者の考え方が凝り固まってしまっていることも多く、説明に苦慮する場面も少なくありません。多いのは「乳歯はどうせ抜けるのだから、大人になってからでもよいのですよね」や「隣の○○ちゃんは小学生から始めたのに、うちの子はどうしてまだできないのですか」などといった質問です。

発育の程度や生活習慣はお子さんによって異なります。兄弟姉妹であっても、歯並びや顎の形態が全く違うこともあります。このため、適切と思われる矯正治療の時期もそれぞれです。乳歯が生えそろい、身体が成長していく幼児期から定期的に観察し、なるべく理想的なタイミングで介入できることが望ましいというのが歯科医師としての意見です。

どんな時に気をつけるべきかという目安をいくつか挙げます。<1>3歳児健診や学校健診などで「不正咬合」の欄にチェックがついた<2>6~7歳(前歯が永久歯になった)頃に受け口である<3>歯科医院でエックス線を撮った際に永久歯の数が足りないと言われた<4>9~10歳頃で犬歯(糸切り歯)が生えるスペースがなく八重歯になりそう<5>13歳(永久歯が全て生え替わった)頃に歯並びがガタガタしている、等です。

お子さんの場合、歯並びや顎の発育に悪影響を及ぼす習慣によってかみ合わせが乱れることも少なくありません。指しゃぶりは広く知られていますが、口をぽかんと開けている「口呼吸」もハイリスクです。顔半分を押しつぶした状態で横向きに寝る癖のお子さんの顔面が、ゆがんでしまったというケースもありました。毎日の積み重ねで口は育つので、食事にまつわる動きも案外重要なのですが、これも軽視されがちです。