歯を削られる際のキーンという音が苦手で歯科医院に行きたくない、虫歯を発見されるのが嫌だから検診にも通わない、という方は案外多いものです。テレビの撮影などではたくさんのスタッフさんとお会いしますが、タレントさんを除いて、定期的なデンタルチェックを受けているという方はほぼいなかったのが今年一番の衝撃でした。口腔(こうくう)の健康が全身に与える影響が叫ばれて久しい時代ではあるものの、実際の受診率自体を大幅に底上げするには至っていないのかもしれません。

「痛くない歯科治療」「削らない虫歯治療」といった文言で歯科医院を検索するという患者さんも増えていますが、私たちが子どものころに比べると、皆さんが快適に治療を受けられるシステムや器具、薬品などは加速度的に進化しています。麻酔に関しては、針を入れる前に塗布する「表面麻酔」と、注射液が一定の圧で送り込まれる「電動注射器」の普及によりかなり痛みが軽減されます。痛みが心配な方は、この2つを使ってもらえるかを歯科医院に確認して受診されると良いかもしれません。

削らない虫歯治療として近年需要がある代表例が「ホワイトスポット治療」「プラズマレーザー治療」です。ホワイトスポットとは歯の表面にできる、白い斑点を指します。初期虫歯の一種に分類されますが、酸によって溶かされたエナメル質に薬剤を浸透させることによって、削らずに改善させることができます。プラズマレーザーは、高温の熱エネルギーによって虫歯を蒸散させ、再石灰化を促す効果があります。ただしどちらも初期症状の虫歯に限られるという点は変わりません。痛くなるほど放置した歯には適用できないので、やはり早め早めの対処が肝心です。