肝臓病で最も多い患者さんは「ウイルス性肝炎」。日本人が、より注意をしなければならない主な肝炎ウイルスは「B型」と「C型」です。今、厚生労働省が発表している日本人のB型肝炎患者・感染者は130万人、C型肝炎患者・感染者は220万人で、総計350万人と推定されています。B型もC型もあまりに有名な肝炎ウイルスです。B型肝炎、C型肝炎は肝臓にウイルスが感染して引き起こされる感染症です。その感染経路は分かっています。感染者の血液や体液を介して他の人に感染します。

B型肝炎はB型ウイルスの感染で起こります。感染は主に性的接触など、血液の直接的な接触です。とりわけ有名なのは、母子感染。B型肝炎のお母さんのおなかの中に赤ちゃんがいた場合、産道感染で生まれてくるのです。現在、母子感染はB型ウイルス感染予防が行われ、感染はなくなりました。ただ、30、40代の方々の中には産道感染している方々がいます。感染の有無は血液検査の肝炎ウイルス検査で分かりますのでチェックし、感染が分かった場合は、進行を抑えるためにすぐにB型肝炎治療を行いましょう。完治できる治療薬はまだありませんが、肝臓の状態を維持することはできます。

C型肝炎はC型ウイルスの感染で起こります。その感染経路はB型肝炎と同じで、感染者の血液を介して感染します。感染が慢性化してくると肝臓の細胞に損傷を与え、慢性肝炎、肝硬変へと進行します。その間に、肝臓がんを発症することもあります。C型ウイルスを持っているか否かを血液検査で調べ、持っていた場合は専門医を受診して治療を受けましょう。今は、抗ウイルス薬の経口薬だけで完治できる時代になりました。ただ、C型ウイルスを完全に排除できても、その前に慢性肝炎、肝硬変に進行していた場合は、肝臓がんを発症することがあるので、専門医を受診して検査を受け続けるのが重要です。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)