日本のがん罹患(りかん)者数(2019年)第1位は大腸がんで、その数15万5625人。大腸がんの死亡者数(2022年)は5万3088人で、肺がんに次いで第2位という多さです。早期発見の方法はこれまで説明してきました。ここからは、大腸がんの予防法を説明していきます。
昨年11月22日に厚生労働省がまとめたのが「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」案で、注目を集めました。長期にわたる多量の飲酒は「アルコール依存症」「生活習慣病」「肝疾患」「大腸がん」を発症させやすくなるのです。ここで、大腸がんのリスクを高める飲酒量として示されたのは、純アルコール量にして「1週間あたり150グラム以上」。これは「1日あたり約20グラム以上」です。
1日約20グラムの純アルコール量とは、わかりやすく説明するとビールでは500ミリリットル1本、日本酒では1合程度です。大腸がんでは、飲酒によるリスクに男女の差はありません。そして、これは「1日あたり約20グラムまで」の飲酒を勧めているのではありません。このように聞くと、お酒の好きな人は「1日約20グラムまではOK」と都合よく考えてしまうのはよくありません。
韓国では「週に1、2日飲む人より、週に3、4日飲む人の方がより大腸がんが多い」。さらに「週5日以上飲む人は、より大腸がんが多い」との報告がされています。お酒を飲む人と飲まない人とでは、確実に飲む人の方が大腸がんのリスクがアップします。
「私は毎日ビール中ビン1本に抑えているので大腸がんにはならない。だから、大腸内視鏡検査は受ける必要はない」などと勝手に思う人がいますが、それはまったくの間違いです。
「アルコールは1日約20グラムを目安に制限していきましょう」ということなのです。大腸がん予防のために、今日から実践しましょう。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

