新型コロナ感染症のまん延を経て、ようやく日常を取り戻しつつあるなかで発生した物価高騰、ガザ侵攻、そして能登半島地震。不安や困難は、ぼくたちの心に大きくのしかかっています。今回は、どうしたら心の健康を保ち、うつを予防できるのかを考えます。
・太陽にあたる
冬に雪が多く、日照時間の少ない北海道や東北、また雨の多い鹿児島県の奄美地方などでは、うつ病が多くみられます。日照時間の少なさもうつの原因の1つと考えられています。
太陽に当たると、抗うつ作用があるセロトニンが分泌されますが、日照時間が少ないとセロトニンの分泌が減ってしまうおそれがあるのです。
・注目される慢性炎症説
最近は、うつ病に慢性炎症が関係しているという説を裏付ける研究が報告されはじめています。
脳の慢性炎症がうつ病を起こすメカニズムは、こうです。炎症やストレスがあると、脳のミクログリア(炎症細胞)が活性化し、それが脳神経を傷害するのです。
ミクログリアは海馬などの脳神経細胞やシナプスを破壊し、大脳皮質の機能を低下。その結果、感情の中枢である偏桃体の抑制が効かなくなり、抑うつ、不安などの感情障害を起こすと説明されています。
いわゆる“コロナうつ”の中には、新型コロナに感染後、炎症性サイトカインが全身をめぐることで、脳のミクログリアを活発化させ、うつ病を発症させている例が含まれると考えられます。

