がん治療の3本柱は「手術」「化学療法」「放射線治療」。「膀胱(ぼうこう)がん」の治療については、ここまでに手術、放射線治療を紹介しました。今回からは、化学療法を取りあげます。
化学療法の中心となっているのは「抗がん薬治療」で、今は大きく分けて2つの治療が行われています。第1は「術前化学療法」で、膀胱を全摘する前に抗がん薬での治療を行います。第2は、「がんが転移している場合」に化学療法を行います。
第1の「術前化学療法」は、抗がん薬のシスプラチンをメインとして、他のいろんな抗がん薬を組み合わせて行います。その中で最も多い組み合わせは「GC療法」で、ゲムシタビンとシスプラチンを組み合わせて4週間投与する治療で、主流になっています。このほかには、「ddーMVAC療法」があり、これはメトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチンの投与を普通は4週間で終えるのを、2週間で集中的に行う治療です。もちろん、抗がん薬なので副作用はあります。「吐き気」「骨髄抑制」などで、吐き気に対してはそれを抑える制吐薬があるので大分良くなりました。
第2の「がんが転移している場合」にもGC療法を行います。進行がんに対する対応で、この段階でのGC療法の有効性は60~80%で、がんは小さくなります。その中でも20%程度はがんがなくなったように見えます。が、がんはまた出てきます。抗がん薬は4回くらいの投与を1コースとして、それを6コース続けます。4~6カ月でGC療法が有効な人に対しては、次の治療を考えます。逆に有効性がでない場合も次の治療を考えます。その段階で登場するのが、どちらも「免疫チェックポイント阻害薬」です。免疫チェックポイント阻害薬については、次回取りあげます。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

