“2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる”ことは、もうすっかり認識されています。だからこそ、次の段階として、予防できることを行ってください。「膀胱(ぼうこう)がん」も普段から予防できることはあります。
予防として、まず知っておいてほしいのは、遺伝性疾患の「リンチ症候群」。血縁者の中に大腸がんに限らず、子宮体、腎盂(じんう)、尿管、膀胱、小腸の各がんを罹患した人が3人以上いる、という人です。特に大腸がんが多いのですが、「腎盂、尿管、膀胱がん」も起こりやすいことがわかっています。
また、家族に膀胱がんの人がいると膀胱がんのリスクは2倍になります。このような家族歴のある人は、年に1度の健康診断で「尿検査」を定期的に受けてください。何歳からという決まりはありませんが、膀胱がんは高齢者に多いので50歳を超えたら受けましょう。そして、血尿がわかった場合は、必ず泌尿器科を受診しましょう。
私が体験した患者さんのケース。受診された患者さん(60代)にいろいろ伺うと、両親がともに膀胱がんになった、ということでした。そこで「膀胱がんの検査を受けた方が良いですよ」と勧めました。患者さんは検査を受けられました。結果、膀胱がんが見つかったのです。家族に膀胱がんの人がいるとリスクは高くなるので検査を受けましょう。
そして、最もリスクの高いのは「喫煙」。1日5本程度の喫煙でも、膀胱がんのリスクはアップします。さらに、喫煙者で膀胱がんになった人は、膀胱がんの進行がアップします。さらに、再発のリスクもアップします。ここはしっかり禁煙を-。ただし、禁煙をしてもリスクは残るので、定期的な尿検査はきちんと続けてください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

