寒い季節に湯船につかると、冷えた体が温まり血の巡りがよくなるだけでなく、リラックス効果もある。入浴は健康に役立つが、肺の病気を引き起こす菌が潜むことも…。そのひとつがレジオネラ症。

河川や温泉、土壌など自然界に生息するレジオネラ属菌を吸い込むことで、重症の肺炎を引き起こす。特に循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24時間風呂など)で増殖したレジオネラ属菌を、湯気と一緒に吸い込んで感染する事例が後を絶たない。レジオネラ症は感染症法の4類感染症に分類され、感染症発生動向調査(2025年第37週第37号)では、25年1月1日~9月14日までに1631件の患者報告があった。加えて、浴室環境からは、別の菌による肺の病気も増加しているという。非結核性抗酸菌症(NTM症)だ。

「NTMは自然環境に加えて家庭環境などにも生息する菌ですが、一部の患者さんは、自宅の浴室で感染していると考えられています。私たちの臨床研究において、肺NTM症患者さんの風呂場環境を調べたところ、約3割の患者さんの浴槽水中からNTMを検出しました」と、公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸器センター治験管理室長、臨床医学研究科長の森本耕三医師は説明する。

「弱い塩素ではNTMは生き残るため、水道水への混入の可能性も疑われますが、はっきりしたことはわかっていません。もちろん、全ての浴槽がレジオネラやNTMで汚染されているわけではありませんが、衛生環境が悪いと増殖する可能性があるので、注意していただきたいと思います」と森本医師は話す。