行楽シーズンに観光地を歩いていると息切れがして、一緒に歩いていたはずの人から歩みが遅れしまう。こんな状態が、加齢や慢性の病気などによる肺の機能低下で起こりやすい。

「息切れがあると身体活動を避ける傾向があります。しかし、それは逆効果です。喫煙を最大原因とする慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患は、身体活動を習慣化すると息切れが軽減し、健康寿命を延ばすことにつながります」とは、公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸ケアリハビリセンター長の吉田直之医師。

「海外の疫学研究では、身体活動が高い群ほど、COPDの増悪による入院リスクが減ったと報告されています。息切れがあるからといって体を動かさないのは、患者さんにとって害をもたらす敵なのです」(吉田医師)。

この疫学研究は、COPD患者を<1>ほとんど動かない(家から出ない)、<2>1週間の身体活動量が2時間以下(低レベル)、<3>1週間の身体活動量が2~4時間(中レベル)、<4>1週間の身体活動量が4時間以上(高レベル)の4つのグループにわけ、20年の追跡調査を行っている。その結果、<1>は約6割が入院。<2>から<3>と、身体活動レベルが上がるにつれて入院率が低減し、<4>のグループが最も入院率が低かった。

「慢性呼吸器疾患の進行を抑えて、健康寿命を延ばすためには、薬による治療だけでなく身体活動レベルの向上と維持が重要です。それを多くの方に知っていただきたいと思います」と吉田医師は話す。