慢性呼吸器疾患を抱えて息切れがしても、毎日の歩行習慣などで身体活動レベルを上げることで症状は軽減し、健康寿命も延びるという。逆に歩行習慣がないと、病気だけでなく事故なども含めた全死亡率が上がる。それほど身体活動量を維持することは重要だ。
「身体活動レベルを上げることは、がんや生活習慣病なども予防します。たとえば、喫煙が最大原因の慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)は、併存症といって肺以外の病気を合併することが多い。身体活動量の増加は併存症の予防にもつながります」と、公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸ケアリハビリセンター長の吉田直之医師はアドバイスする。
運動は健康に役立つことはよく知られている。乳がん、大腸がん、子宮体がんのリスクは、活発な身体活動で下げると報告されている。逆に運動しないと命に関わる。厚労省の資料によれば、感染症以外の死亡の危険因子は、喫煙、高血圧に次いで身体活動・運動の不足が3番目だった。
「COPDの併存症は、高血圧、2型糖尿病、メタボリック症候群が多く、それに伴い心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳卒中のリスクも上がります。身体活動レベルを上げることで、COPDの増悪を防ぎ、併存症の予防も可能になります」(吉田医師)。
しかし、リモートワークで自宅にいたまま、食材も宅配を頼めば1歩も家から出ないで済む生活環境もある。
「『やればできる』という人がいますが、言葉だけでは身体活動レベルは上がりません。ぜひ『やればできる能力』を生かしていただきたいと思います」と吉田医師は話す。

