症状がなくても突然の脳梗塞の発症は、自分だけでなく大切な家族の人生、そして世の中までも変えてしまいます。有名人でも発症した方も多く、巨人の長嶋茂雄さんだけでなく、スポーツ界ではサッカー日本代表のオシム元監督、政治家では、田中角栄元首相、小渕恵三元首相も脳梗塞を発症しました。脳梗塞も、心房細動から引き起こされる合併症が問題になるものがあるのです。

心房細動は心臓のポンプ機能を低下させるため、血液の巡りが悪くなることで起こる病気全てに関係してきます。心房細動に関する104編の臨床疫学研究をまとめた心房細動患者970万人の深掘り分析では、心不全と脳梗塞を筆頭に、心臓病、心血管病、突然死、慢性腎不全、さらには全体の死亡率にも関係しているという結果が示されています。

心房細動患者の年間死亡率は4%以上で、その4割は心臓死です。うちわけは心不全、心臓の血栓が心臓に飛ぶ心筋梗塞、突然死です。まさに「心房細動は万病のもと」と言えるかも知れません。ですが、誤解しないでください。適切に対応さえすれば、決して恐ろしい病気ではありません。どうしたら良いのか、この連載で心房細動を知って治療と対策を学びましょう。

今の時代はネットで簡単に「心房細動」と検索できますし、そのまま循環器内科のクリニックや病院の広告、ホームページにアクセスできます。説明の素晴らしいものもありますが、中には「アブレーション受けましょう」とか「不整脈治療の名医」のような怪しげでステルスマーケティング(ステマ)と思われるサイトも見受けられます。ちょっと待ってください。「不整脈IQ」をしっかり鍛えてください。焦る必要はありません。