心房細動を「いつ、いかに治したらいいのか」。我々専門医の核心的見解は「心臓のリモデリングを早く止める」になります。
連載の32回目でAFFIRM試験について触れました。「血液サラサラ薬で脳梗塞を予防することは大事。かつ抗不整脈薬を使わないで心房細動を正常の脈にすることが大事である!」という趣旨でしたが、これの裏メッセージに帰結するのです。つまり「早いうちに、確実に、安全に、非薬物治療で正常の調律を維持する」ことです。
薬を飲んでも心房細動は治りません。飲み続けてもです。非薬物治療ならば、カテーテルアブレーションか外科手術です。よりリスクが少なく、より確実な治療ならば前者になります。細い管のカテーテルを足の付け根の血管から心臓に通し、不整脈の原因となる異常な電気信号を絶つために発生源を焼いたり冷却したり高電圧の電気パルスをかける治療です。
発作性心房細動であれば一刻を争うものではありませんが、心房が変形する前にカテーテルアブレーションを受けましょう。胸のエックス線と心臓超音波検査などで心房の変形が見つかったり、血液検査で脳性利尿ペプチド(BNP)が高くなってきているのであればさらに早い方がいいでしょう。検診で見つかった心房細動もほぼ同様です。
ただし何年も放置している心房細動や心房細動のまま通院して血液サラサラの薬を飲んでいるだけの場合は、リモデリングがどの程度進んでいるかを確認することが大事です。また、BNPの値も非常に気になるところです。心房細動が治る限界点を通り越しているかどうか、判断する必要があります。信頼できる専門医に相談してください。カテーテルアブレーションでどこまで治るのか、治らないのかは後日、深掘りします。次回は最も大事な心房細動と「どうつきあうか」です。

