「心房細動とどうつきあうか」と聞いて皆さんはこう思うのではないでしょうか。「え、心房細動は治らないのですか?」。
心臓の変形であるリモデリングを止めることが心房細動の治療の必要かつ十分条件です。リモデリングには心房細動が持続することで起こる電気的リモデリングと心筋組織が傷んで心臓が変形する構造的リモデリングがあり、2つとも止めなければいけません。
永続性心房細動などカテーテルアブレーションで電気的リモデリングを止められない場合には、リモデリングを最小限に抑えることを目標として生活習慣病を是正することが必須であることは前回話しました。
一方、カテーテルアブレーション治療で、発作性などの心房細動を止めることができれば電気的リモデリングを止められます。これは心房細動の治療では大きなアドバンテージです。電気的リモデリングが止まるので構造的リモデリングも止めることが出来るからです。治した部分からは心房細動は生まれません。振り出しに戻すことが出来ます。
あー良かった? いえ、ちょっと待って下さい。連載の30回目で触れた、心房細動のなりやすさを思い出してください。心房細動では高血圧を60%、糖尿病は30%合併します。なぜ、心房細動になるのでしょう? そうです。生活習慣病が心臓に傷をつけて、心房細動の素地ができてしまったからです。心房細動になる前から構造的リモデリングは人知れず進行しているのです。心房細動は進行する病気なのです。悪性腫瘍ではありませんので転移はしませんが。
アブレーションの後の治療が一番大事です。信頼できる専門医は、この点もおろそかにしません。高血圧、糖尿病、肥満、コレステロール、アルコール、ストレスなどの生活習慣の是正です。加齢についても、食生活、運動、アルコールに気を使って若々しく年をとることが大事です。

