「肥満」が原因で引き起こされる健康障害は11でしたが、今は「がん」「認知症」「コロナ感染症」の3つがプラスされました。がん&認知症は前回取り上げましたので、今回はコロナ感染症にスポットをあてます。
コロナ感染症は2020年1月に国内初の感染者を確認し、指定感染症になりました。そして、感染が広がった初期の段階では亡くなる人が多かったのです。その患者さんたちをいろいろ確認したとき、肥満の人はそうでない人と比べ、感染すると重症化していたのです。
内臓脂肪型肥満の人は内臓脂肪がたくさんあり、その細胞には免疫反応などの調整をしているサイトカインが産生されています。そして、内臓脂肪には受容体があるので、コロナウイルスは細胞内に侵入しやすいのです。コロナウイルス感染などが起こるとサイトカインが大量に分泌されます。この現象を「サイトカインストーム(免疫の暴走)」と言います。
サイトカインストームで、サイトカインが全身に広がり、血流にのって肺に届くと肺で炎症が起き、重症化します。
また、内臓脂肪が多いとおなかの脂肪が横隔膜の動きを悪くします。すると、しっかり空気を吸おうとしても吸えないので、呼吸困難になりやすいのです。そこで、重症の呼吸不全に用いられる人工呼吸器「エクモ」の装着率を調べると、BMI(体格指数)が30を超える肥満の人は、肥満に入らない25以下の人と比べると数倍高かったのです。太っていることが非常にリスクになる、ということです。
コロナ感染症はBMIが25を超え、増えれば増えるほどリスクがあがることを、肝に銘じましょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

