<パリオリンピック(五輪):セーリング>◇8日◇混合470級最終レース◇マルセイユ・マリーナ

混合470級は、岡田奎樹(28=トヨタ自動車東日本)吉岡美帆(33=ベネッセ)組が銀メダルを獲得した。

8レースを終えて3位を保ち、上位10艇で争うメダルレースに進出。メダルレースは3位に入って銀メダルを確定させた。1996年アトランタ大会の女子銀メダルの重由美子、木下アリーシア組、2004年アテネ大会男子銅メダルの関一人、轟賢二郎組以来、日本勢では20年ぶりのメダルの快挙となった。

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吉岡は177センチの長身を生かしてきた。ヨットに出合ったのは兵庫県立芦屋高。当時顧問を務めた本田善一さん(70)には「こんな大きな子、使い物にならんよ」という声も届いた。当時の高校は主に470級より小さなFJ級。部員に減量を課す学校もあったという。本田さんは「体重は増やせるけれど、身長は伸ばせない。それを生かしたら? この後、もっといろいろな船があるからね」と吉岡へ伝え、見守ってきた。

平日は芦屋市の南にある県立海洋体育館に向かった。1時間かけて組み立て、午後5時から練習の日々だった。自宅があった川西市から、電車を2度乗り換えて通う日々。黙々と取り組む姿に「根性がある」と感心し「ヨットは海が教えてくれる。コーチが教えても、そのレベル止まり」と自主性に委ねた。大学進学時も、立命大の監督が「面白そうやね」と長身を前向きに捉えてくれた。何度も岐路に立ちながら、セーリングと向き合い続けた先にメダルはあった。【松本航】