パリ五輪は史上初めて選手数が男女同数となる。ジェンダー平等を掲げるパリ五輪。日刊スポーツ特別コメンテーターを務める谷亮子さん(48)は、結婚、出産後も現役を続け、日本勢史上最多となる5大会連続で五輪メダルを獲得した。「パリで金、やっパリ金」と題して、自身の経験から今の思いを語った。

   ◇   ◇   ◇

パリオリンピック(五輪)は32競技329種目が行われ、およそ1万人の選手が参加します。注目している選手の中に、スケートボード男子ストリートで前回東京大会初代金メダルを獲得した堀米雄斗選手がいます。

2021年東京大会で正式競技となり、初めて間近で見た堀米選手のスケートボードの世界は、人間技と思えないようなトリックを、空中で一瞬の間にコントロールして決める。なんとも美しい瞬間です。

22年から始まった連覇を目指すパリ五輪の代表争いは、熾烈な戦いの連続でありました。最大3枠の代表には厳しいだろうという見方がありましたが、私は最後まで出場を可能にするだろうと感じていました。

堀米選手とはお会いしたのは21年東京大会で金メダルを獲得した後、テレビ番組で共演した時です。その時、印象的なシーンがありました。インタビュー時、移動など、どんな時でも常にスケートボードを肌身離さず、大事に抱えていたのです。スケートボードとの一体化というか、道具への愛情を感じました。

堀米選手のスケートボードは、私にとっての柔道着と帯になります。

小学校2年から練習前、試合前には必ず、柔道着にアイロンを掛けていました。あと私は柔道着と帯は自分のものも、他の選手のものでも、またぐことも絶対にしません。私にとって柔道着は特別なもので、魂の入った神聖なもの。だから堀米選手のスケートボードを大切に扱っている姿を見て、とても共感できたのです。

道具を愛して敬意を払う姿勢は、競技と謙虚に向き合っている証しと感じます。これが彼の強さにつながっているのでしょう。大事な時には、スケートボードが支えてくれます。トリックのレベルが境地に達したとき、堀米選手は2連覇を成し遂げているでしょう。

あと楽しみにしているのが、観客の入った試合会場です。前回東京大会はコロナ禍で無観客。選手たちも行動範囲を規制されるなど、競技以外のストレスが少なくなかったと思います。減量などの調整に影響した選手もいたようです。16年リオデジャネイロ大会以来8年ぶりの通常開催。観客の声援も力になり、最高のパフォーマンスを発揮できる環境が整うでしょう。全世界のアスリートにパリの青空が待っています。熱戦を期待しています! (日刊スポーツ特別コメンテーター・谷亮子)