フィギュアスケート男子で66年ぶりの連覇を達成した羽生結弦(23=ANA)が21日、史上初となるクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に向かって再始動した。会場の練習リンクで17日のフリー以来4日ぶりに氷上に登場。昨年11月に痛めた右足首は今も「治療が必要」と話していたが、笑みを浮かべ、リラックスした様子で滑り始めた。

 最初に氷の上に刃でゆっくりと円を描く動きを行い、少しずつ滑るスピードを速めた。約15分後、ジャージーを脱いでジャンプの練習を開始。1回転から始まり、中盤からは左足で前向きに踏み切るアクセルジャンプが中心だった。1回転半をゆったり跳ぶ「ディレイドアクセル」やトリプルアクセル(3回転半)など14度もアクセルを跳んだ。

 18日の会見で「モチベーションは4回転アクセルだけ」と次の目標を明かした。昨年10月のロシア杯でも、現役中に競技会で決めたいと4種類制覇の夢を語っており、その本格的な第1歩を五輪の地で踏み出した。

 25日にはエキシビションを予定しており、その後は右足首の状態を見極めながら3月の世界選手権(イタリア)出場を検討する。【高場泉穂】