東京五輪の聖火リレーは23日、初めて九州に入り大分県を巡った。スーパーボランティアと呼ばれる尾畠春夫さん(81)が日出町を快走した。トーチキスの際に「やったぞー!頑張るぞー!」と意気込み、毎日8キロを走りトレーニングを積んだ健脚を披露した。「皆さんの健康を願いながら走りました」と笑顔。聖火をつなぐ大役を終えても「自分の中で何かが変わることはない。200メートル走って変わったら苦労しない」と尾畠節。「人生なんか一生走り続ける。歩き続けるのですから」と語った。

沿道の観客から拍手などで声援を受けたことを振り返った。「実をいうと天国にいるおふくろにも見てもらいたかった」と明かし、目には涙を浮かべた。小学生の時に母親が41歳の若さで亡くなったという。「今日も元気に走っているよって、そんなのも思いながら走りました。清い心でいれば必ず通じると思っております」と話した。

◆23日の聖火リレー 初めて九州に入り、大分県を巡った。日本一の温泉源泉数と湧出量を誇る別府市からスタート。元新体操日本代表で08年北京、12年ロンドン両五輪に出場した田中琴乃氏が第1走者を務めた。日出町ではスーパーボランティアと呼ばれる尾畠春夫氏が走った。24日は大分県2日目を迎える。玖珠町から始まり、豊後大野市では間近で滝を眺めることができる原尻の滝を巡る。大分市では俳優石丸謙二郎、タレント指原莉乃が走る。