東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会が、五輪開幕50日前となる3日、大会の表彰式アイテム(表彰台、衣装、メダルトレイ、音楽)発表会を東京・有明アリーナで行った。

五輪のバレーボール、パラリンピックの車いすバスケットボール会場で冒頭、組織委の橋本聖子会長(56)があいさつ。「あと50日を数えれば、この舞台に皆さまをお迎えして、大会を開催できるところまできました。アスリートの皆さんが海を渡って、東京に向かう足音が次々と聞こえてくるような気がいたします」と期待感を口にした。

一方で開催に向けた世論に言及。「世の中には、こんな時代になぜオリンピック・パラリンピックを開催するのか、と問う声もあります。しかし、このような困難な時代だからこそ大会を開催し、コロナによって分断された世界で、人々のつながりや絆の再生に貢献し、スポーツの力で再び世界を1つにすることが、今の社会に必要なオリンピック・パラリンピックの価値であると確信をしております」と述べ、医療従事者らへの感謝と敬意も表した。

この日、お披露目された表彰台の思い出としては「私には、なかなか簡単にたどり着けない場所でありました。だからこそ(夏冬)7度の出場の中で唯一、メダルを獲得したアルベールビル冬季大会の表彰式は、他に代えがたい記憶となって私の心に刻まれております。多くの方に喜んでいただけたことが本当にうれしくて、支えていただいた方とのつながりを、心から感じた瞬間でもありました」と感動を紹介した。

東京大会では五輪が339回、パラリンピックが539回の計878回、表彰式(ビクトリーセレモニー)が行われる。橋本会長は「その場に立つアスリートの皆さんにとっても見守る私たちにとっても、今の時代における大会の価値を真に実感できる瞬間になると信じております」と、世界にも配信されたイベントのマイクを通して強調し、最後にお願いした。

「アスリートの皆さんの卓越した活躍に心から期待しております。感染症対策は万全の準備をして参りますので、安心してお越しください。アスリートの皆さんの健康は、組織委員会が必ず守り抜きます。また、日本の皆さんが安心してアスリートの皆さんをお迎えするために(来日する選手や関係者には)ルールにのっとった行動をお願いできればと思っております。来日を心待ちにし、迎えていただく日本の皆さんには、この大会に、大変な時間を乗り越えて挑むアスリートたちを、ぜひ、ともにたたえていただきたいと思います」

【木下淳】