ソチ五輪「伝説のフリー」から10年 浅田真央さん単独インタビュー〈下編〉

プロフィギュアスケーターの浅田真央さん(33)が、2017年のプロ転向後3作目となるアイスショー「Everlasting33」を6月2日から16日まで立川ステージガーデンで公演します。〝世界初〟の劇場型アイスショーに臨む胸中を語ったロングインタビューを上下2回でお届けします。ソチ五輪から10年の節目に、下編では常に未知に挑む胸中にある選手時代の経験、2つのオリンピックの記憶、そして再挑戦を続けているトリプルアクセル(3回転半)の今を語ってもらいました。

フィギュア

アイスショー「Everlasting33」の練習で情感あふれる演技を見せる浅田真央さん(撮影・宮地輝)

アイスショー「Everlasting33」の練習で情感あふれる演技を見せる浅田真央さん(撮影・宮地輝)

五輪「いまも自分の力になってます」

――先ほど高橋大輔さんの名前も出ましたが、おふたりも出場していたソチ・オリンピックから10年になります

えっ! 早っ! 早すぎる!(笑顔)

――2月が大会から10年後でした。振り返る方ではないので、意識されてないかなと思ってました

はい、忘れてました(笑顔)。

ソチ五輪女子フリーで気迫の演技を見せた浅田(2014年2月20日撮影)

ソチ五輪女子フリーで気迫の演技を見せた浅田(2014年2月20日撮影)

――ですので、振り返りではない部分をお聞きしたいです。今年の夏にはパリ・オリンピックも控えています。浅田さんの中で、オリンピックに2回出た経験はどういうものとして自分の中に残ってますか

そうですね、選手の時はすごい自分も強かったし、気持ちも。自分の気持ちももともとそんなに強くないから、頑張って強くした部分もあったので。とにかく「もう何がなんでもやらなきゃ」みたいな。

自分の気持ちにふたをして、ずっと「できる」って思ってずっとやってきたので。選手を終えて、その気持ちや強さはフェードアウトみたいな感じになったんですけど、選手を引退しても、やっぱりいろんなことがありますし、自分が「もうこれダメだ」って思った時に、「ソチやバンクーバーであれだけの自分のプレッシャーを乗り越えられたから大丈夫だ」って思えるんです。

選手の時にどんなことがあっても諦めずに、自分の強さで何がなんでも乗り越えたことは、今も自分の力になってます。それを思い出すので。「なんでこんなことで今はこんな落ち込んでるんだろう」と思います。「あの時、もっと強かったよね、自分」って。だから選手の時って顔つきももっときつかったと思うし、若かったっていうのもあると思うんですけど。

でも、それだけのものを自分は乗り越えたって思ってるので、今何かがあったとしても、そこで思い出して、「あれ乗り越えられたのに、なんでこんなこんなことで悩んでるんだろう」と。あの強さは今はないので、頑張って奮い立たせるようにはしています。

ソチ五輪で女子フリーの演技を終えた浅田は思わず感極まる(2014年2月20日撮影)

ソチ五輪で女子フリーの演技を終えた浅田は思わず感極まる(2014年2月20日撮影)

――自分を支えてくれる1つの重要な柱になってるのですね

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。