【千葉百音の言葉】「困り眉をしている心情は…」演技中の表情を“解説”/世界選手権

【モントリオール=阿部健吾】今季の4大陸選手権王者の千葉百音(18=木下アカデミー)は初の世界選手権を195.46点の7位で終えました。

シニア転向1年目となる今季から木下アカデミーに拠点を変更。昨秋には運動誘発性ぜんそくを発症し、苦しい時期もありましたが、壁を1つ1つ乗り越えてきました。

世界舞台に立った率直な思い、つい硬くなってしまう表情の分析、投入へ向けて練習している4回転ジャンプ…。何度も笑顔が咲いた現地限定の一夜明け取材を、「千葉百音の言葉」としてお届けします。

フィギュア

<世界選手権>◇23日(日本時間24日)◇第4日◇カナダ・モントリオール

フリーの一夜明け取材に応じた千葉(撮影・阿部健吾)

フリーの一夜明け取材に応じた千葉(撮影・阿部健吾)

――世界選手権を振り返っていかがですか

千葉 この大会に出場させていただけたことにすごく感謝しています。ショートもフリーも、どちらも悔いの残る演技だったのでたくさん反省点が見つかった試合でもあり、初めての世界選手権ですごく緊張した中でフリープログラムをやりましたが、やりきったと少しは思えることが、これからに生きていくと思います。

――今季は拠点変更や初のGPシリーズなど、いろいろなことがあった1年でした。シーズンを振り返って、どのように感じていますか

千葉 一言で言うと濃い1年だったと思います。全日本選手権や4大陸選手権で良い演技ができ、すごく良い感覚をつかむことができました。この世界選手権ではまだまだ強さが足りないと痛感させられました。この悔しさを忘れずに来シーズンに生かすことが、私が今できることだと思います。伸びしろがあると思うので、成長していけると思います。

――体調が優れない時期もあったかと思います。その時はどんなことを考えながら、乗り越えようとされていましたか

千葉 正直、スポーツぜんそくに苦しめられた時期は、どんなに練習しても成果が出ない時期だったので。乗り越えようにも、途中で押しつぶされそうになり、かなりつらい時期でした。でもここで終わるわけにはいかないと思って。人生、18年しか生きていないですけど、苦もあれば楽もあると(笑い)。18歳ながらに、やっぱりあきらめられないと感じていたので、全日本で背水の陣みたいな感じで頑張れたと思います。

――来季へ向けてはどのような点を強化したいですか

千葉 本番の時に足りないと感じたのが、内側からにじみ出る自信のオーラというか、そういうものが今ひとつだなと。練習の時の振る舞いだったり、強気で跳びにいったりとか、そういうことが自信につながるかなと思います。フィジカル面と、メンタル面は場数で強化していって。(技術面では)4回転トーループをどんどん練習して、成功につなげられるように筋力トレーニングなど、オフシーズンにしかできないトレーニングをしたいです。

フリーの演技する千葉(共同)

フリーの演技する千葉(共同)

――世界選手権でトップ選手を目の当たりにして、何か感じたことはありますか

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。